アトツギラボ【スピンオフ#3】
哲学、思想。アトツギラボで取り上げたいと思っていたキーワードでした。そんな中、8月初旬に開催された京都市地域企業未来力会議というイベントでたまたま同じグループだった大角さんとの出会い。面白いと直感的に思った人との出会いからやりたい企画が生まれる。今回はそんな偶然という名の必然的な企画です。
哲学コミュニケーター
まずは、哲学ワークショップの講師を快く引き受けてくれた大角康さんの紹介から始めたいと思います。
哲学や宗教をバカにしていた元高校球児。人間関係に悩むことから哲学に入り、気付けば出家。京都大学文学研究科で哲学研究を進めつつ、南禅寺禅センター(光雲寺)で坐禅指導にあたる。現在は「哲学による社会貢献の道を拓く」べく、京都大学経営管理大学院に進学し、「哲学コミュニケーター」という怪しげな名前で活動されています。
跡を継ぐことは今を生きること〜歴史の中を生きるアトツギ〜
というテーマ設定をしてもらいました。歴史の中を生きることは、実はとても不思議なことで、アトツギとしてどのように生きるかを考えている中で、歴史の中を自分らしく生き抜くためのヒントを得るべく、オルテガやハイデガーといった哲学者の言葉を横目に見つつ、身近で深い話題をともに探究する時間を持ちたい。そして、「ハッ!」と気付いて「ハハッ!」と笑っているうちに、気付けば考えが深まっているような時間にしたい。そんな熱い想いを胸に、ワークショップ始まりました!
想像してみる
問いが面白くて、これをグループで考えてみる。結構盛り上がる。そして、話し合った内容をみんなでシェアする。
次の問いがこれで、「ん?なんだこれ?」とざわつく参加者。最初のワークから全員が大角ワールドに引き込まれます。
歴史的存在としての人間
人間とシーラカンスの違いは何か?「環境」の中にではなく、「歴史」の中に生まれているということ。人間だけが歴史を持ち、歴史を持つから人生がある。まさに、アトツギは歴史的存在として人間の象徴であると言えます。
甘やかされたお坊ちゃん
オルテガ・イ・ガセットは、先人の努力への敬意を忘れ、ただそれを利用するだけの者を「甘やかされたお坊ちゃん」と言いました。
「甘やかされたお坊ちゃん」になることの何が問題なのか?自分をお坊ちゃん・お嬢ちゃんと思ったことはあるか?グループワークの問いが多くて、楽しくも深い話と分かりやすい事例を交えた内容で軽快に進みます。
終着点・出発点・中継点
過去から見れば、「今」は歴史の終着点。未来から見れば、「今」は歴史の出発点。これをどう捉えるか?今は自分に特有の状況から出発することを運命づけられていて、過去から逃れることはできない。
では、人間にとっての「自由」とは何か?
ここで面白いのが、マルティン・ハイデガーの「被投的企投」という考え方。人は「自分に固有の状況」に常に投げ込まれているが、その状況に自分の意図を投げ込むことも常にできる。
今、ここで、自分はどうする?
「自由」と「問い」は表裏一体で、悩みがあるのは自由である証拠。
そして、自分に固有の可能性を生きようとしている証でもある。
「アトツギとしてどう生きるのか?」家業に戻られてから浅いアトツギさんはよく悩まれている印象です。自問自答し、何か前向きになれるヒントになった時間だったのではないでしょうか。
大角さんには気になる終わり方でワークショップを締め括っていただきました。というのもこんな楽しい学びや気づきの多い回を1回で終わらせたくない。継続して開催したい旨を大角さんにお伝えしていますので、第2弾(2月予定)開催にもご期待ください!最後に、参加者の皆さんの感想をご紹介します。
八百屋アトツギ
交流会は出張料理人として登場いただいた“八百屋アトツギ”の西喜商店の近藤貴馬さん!
八百屋ならではのメニューが体に優しく味も美味しい。。。最高でした。。。
楽しく学んだ後に、出来立ての料理が食べれる幸せ。最高です。偶数月は出張料理人アトツギシリーズで、料理人アトツギさんに料理を担当していただきますので、お楽しみに!
アトツギラボ スピンオフ#3 開催概要
【日 時】2024年10月16日(水)18:30〜
【場 所】GROVING BASE
【講 師】哲学コミュニケーター 大角康 氏
【料理人】西喜商店 近藤貴馬 氏
【撮 影】村山俊輔
アトツギの未来は地域の未来。
人生にアトツギという選択肢を。
to be continued…