美しい本棚の必要性
「東京の色々なところに行ってみたい!」というテーマで、ちょこちょこと足を運んでいる。
この日訪れたのは、駒込にある「東洋文庫ミュージアム」。
住所に「本駒込」とあったので、間違えて一度「本駒込駅」で降りてしまったが、駒込駅が最寄りである。
「東洋文庫」でネット検索したりすると出てきて心惹かれるのは、おそらくこの光景。
しかし「東洋文庫」というのは東洋学の専門図書館および研究所のことを指し、蔵書(ライブラリー)、閲覧室は別にある。
あ、この本棚が東洋文庫なわけではないのか、と納得。
できればライブラリーも見学したかったが、ホームページによると研究テーマなどを記載したきちんとした申し込み書が必要な感じだったので、ミュージアムだけ見ることに。
話は戻って、ではこの凄まじい存在感の本棚はなんなのか?
これは東洋文庫ミュージアムのほうにある「モリソン文庫」と呼ばれるもの。東洋文庫の一部ではあるが、来訪者が手を触れたり読んだりすることはできない。本棚の前にはロープがはってある。
東洋文庫の創設者 岩崎久彌(ひさや)さんが、北京に駐在していたモリソン博士から購入した、東アジアに関する欧文書、約2万4千冊だそうだ。
「2万4千冊並べようとおもったら、こんなに空間が必要なのか~」とか、
「モリソン博士はこの本、全部読んだのかな?買っただけ?」とか、
どうでもいいことを考えながら、ひたすら本棚を眺める私。
大学生のころから読んだ本のタイトルは一応手帳に書いて、数えてはいるんだけど、まだまだ500冊いかないな・・という程度。おそらく一生のうちに2万4千冊並べることも、読むこともないだろう・・と思う。ああ。
でも、そう考えると、人間は、というか少なくとも私は、もっと読む本を慎重に選ぶ必要がある気もする。本屋さん一軒買ったって、おそらく。おそらく、そこにある本を生涯で読み切り、理解することなんてできないのだ。もっと一冊、一冊が勝負、というような気持ちで読んでもいいのではないか、なんて東洋学と全く関係のないことを思いながら、ふらふら見学した。
本棚の裏側には、企画展の会場が。
このとき開催されていたのは、「日本語の歴史」展。
「日本語というのは、以前は韓国語と類似点があることから同じ語族と考えられていたこともあるけど、現在ではどこにも属さない、独自の語族とみなす考えもある」などの学問的に興味深い展示から、
「日本に来たことがない西欧諸国の画家がわずかな情報と想像で描いた日本の絵」なんてのも。
いやいや!これは日本じゃないやん?(笑)西洋のまんまでしょ?
と、にやにやしながら見ていた。
本棚や図書館が美しいのは大好きだけど、触れない、読めないとなると、ちょっと胸をかきむしられるような気持ちがする。
レストランに行って、入り口で食品サンプルだけ眺めて帰ってくるような気持ち?(笑)といえば伝わるだろうか。
満足しにいったのに、飢えて帰ってくる、みたいな。
本は触ってめくって、においとか嗅ぎたいなあ。そしてカフェとかでゆっくり読みたい。やっぱり。
カフェと言えば、まったくの余談だが、駒込ってカフェらしいカフェがない・・って思うのは私だけだろうか。
どこかでお茶でも飲もうかな、と歩きながらきょろきょろするも見当たらず・・。
何年か前に都内で引っ越し先を探していたとき、たしか駒込のマンションも見に来たことがあった。
そのときも、たしかそんな風に思ったのだ。気軽に入れるカフェが、なんか・・ないなあ、って。
「世界で一番美しいコーヒー」というようなものがあったとして、見せられたらやはり飲みたい。見るだけです、って言われたら、うーん、嫌だな(笑)そんなイベントないだろうけど。
「いつか家を持つようなことがあれば、天井から床まで本棚で、梯子がないと上の方の本が取れない!みたいな図書館部屋を作って、おいしいコーヒーを出して、来てくれた人と読書会でもしたいなあ」
なんて思いながら、山手線で高田馬場へ出てミスタードーナツを食べたのでした・・・。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
※訪問の際は、必ずオフィシャルな情報をご確認ください。
【訪れた場所】
東洋文庫ミュージアム
アクセス:JR、地下鉄駒込駅から徒歩10分ほど
【所要時間】
1時間半ほど。
六義園のチケットと合わせて買うと100円ほど安かったので、
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ミュージアム - 公益財団法人 東洋文庫 (toyo-bunko.or.jp)