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おじさんしか愛せなかった女がTHE RAMPAGEのオアシスに立っていた話
それこそTHE RAMPAGEがデビューしたくらいのころだったと思う。どこかのだれかが「このペースで人数が増えていったら何年後に人口の何割がEXILE(LDH)になるか」みたいな計算をして、インターネット上で少しだけ笑いをさらったときがありましてね。
例に漏れずわたしも、そんなネタにクスクスしているまったくの余所者でした。
そもそもわたしにとってLDHの印象は世代的に「黒い!サングラス!怖い!
終わりの幸福、あるいは祝福
未曽有の疫病が世を席巻してしばらく経つ。町のひなびたステージでまばらな客を前に日がな一日笑顔を振りまいていたはずの垢ぬけないそいつは、瞬く間にスターダムを駆け上がっていった。今や武道館も満員御礼の超売れっ子。それどころか摩天楼のごとき高級マンションのペントハウスで悠々自適かつ傍若無人な富豪生活、といったところである。おかげでひとびとは生活の改変を余儀なくされ、もとよりたいして生きやすくもない世の
もっとみるお願いだから、一緒に幸せになろうよ
わたしはふたり姉弟なんだけれど、はじめの子ということもあってかずっと『お兄ちゃん』にあこがれていた。お兄ちゃんがいる友人がうらやましかったし、なかには年齢が十五近くも離れている子もいて、それはいったいどんな風なんだろうと思っていた。
大学に合格し、進学が決まっていた春のことだった。高校も卒業してしまったので、高校生でもなく大学生でもなく宙ぶらりんの、なんだか妙な気になる春だった。母の実家であ