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地図と根拠のない自信を持って歩こう(#私のこだわり旅)

 先週末に「ほしおさなえの 世界をめぐる スタンプラリー」をしに川越市に行って来ました。ほしおさなえ作品に関わりのある市内の7つの場所をめぐるスタンプラリーです。駅の観光案内所や、市内店舗などで配布されているチラシ、またはフリーペーパー「コエドノコトpaper」に印刷された台紙にスタンプを3つ以上集めると素敵なノベルティがもらえるとのこと。ふむふむ。

 ホームページで情報を確認して、休日の予定と相談。なんとかいけそうだ、ということで電車に飛び乗り、いざ川越駅。駅で調達したのがこれです。

左から「時薫るまち川越散策マップ」「ほしおさなえの世界をめぐるスタンプラリー チラシ」「コエドノコトpaper」

 上記のチラシとフリーペーパー、それに川越市の散策マップ。

 旅行に行くときに欠かせないもの、というと自分には2つほどあるかな、と思います。そのひとつがこれ。紙の地図です。

 方向音痴なので、どこに行くにも地図アプリが欠かせないのですが、どこかに出かけた時には駅や観光案内所にある地図をもらうようにしています。だいたいが徒歩移動なので、広域よりも周辺を詳細に描いてくれた地図の方がありがたい。観光地であればあるほど、地元の方の「これ見とけ!」が描いてあって面白いし、地図アプリよりも紙の地図の方が散策には向いている気がしています。多分、視線の問題なんじゃないかと思う。地図アプリの場合は画面上に自分がマークされるので、真っ直ぐ行って右…とか、画面だけ見ていれば行けるんですが、紙の地図の場合はランドマークを常に注意していないといけない。それで自然と周りを見るんだと思うんです。

 さて、理屈をこねるのはさておき、駅のカフェで、チラシにあるスタンプ設置場所を散策マップにマークして、全ての場所をぐるっと巡りつつ散策マップ上の面白げなところも回れるルートを考えました。こういうのも、なんだか宝探しみたいで楽しいですよね。作戦を立て終わったらマップをポケットに入れて出発だ!

 川越のまちにやって来ました。私、ここに来るのは初めてで、とても驚きました。古い建物がたくさん残っています。映画のセットかテーマパークみたい。駅の看板にあった「小江戸」という文字を思い出して、確かに江戸かも、と胸がドキドキするのを感じます。

川越市立中央図書館。雨でタイルがしっとりしています。

 ランドマークのひとつ目は川越市立中央図書館から。『ほしおさなえの 世界をめぐる』とイベント名にあるように、このスタンプラリーは物語のモデルになった場所をめぐる企画です。図書館の中では、作品の本の展示がありました。

 そして、現地の写真を2枚お店したところで、察しの良い方はお気づきかもしれません。そうです。この日、あいにくの天気です。ここで私が旅に欠かせないと思っているもののふたつめのご紹介です。

 自分が出かけるときには晴れる、という根拠のない自信。

「雨降ってますよね?」そうお思いでしょう。そうですね。降ってますね。
 でも、歩きながら「私は天候に恵まれているからこの程度で済んでいるんだぞ」と本気で思っているんです。(台風の時なんかは流石に出かけませんが)この、変な楽観主義みたいなものは、そこそこ旅行には必要なんじゃないかと思います。だって、だから「でも天気悪いからな……」ってやめないで出かけられたのだし、傘さしている間も上機嫌だったりするんです。

左の方に「埼玉りそな銀行」の文字が見えますね。もともと銀行だった建物です。

 次の目的地は「りそなコエドテラス」。立派な洋館だなあ。スタンプラリーは、自分では知らなかったところに連れて行ってくれる楽しみがありますよね。建物前の広場ではマルシェなんかも行われていました。
 そして、この辺りに、スタンプラリーの目的地ではないけれど、散策マップがおすすめしている観光施設があったはず…。と、見つけました。あれだ!

「時の鐘」。今改めて見ると背後に暗雲が立ち込めています。

 「時の鐘」と地図にはあります。江戸時代の鐘つき堂だそうです。「みたことある!」と叫びそうになります。隣が蔵なのも、ここだけ江戸時代みたいでなんだか嬉しいです。見上げるほど大きなお堂なんですよ。

 雨がひどくならないうちに、と足早に次のスポットへ、鐘のある場所と通りをはさんで反対側方面の路地にはこちらも江戸時代からの老舗の「松本醤油商店」さん(お土産に小さな「はつかり醤油」を買いました)、そして時の鐘の北側方面には老舗映画館の「川越スカラ座」さん(まだ現役の映画館で、機材購入のためのクラウドファンディングを実施中とのことでした)、カフェに行列ができていたのは「喜多町弁天長屋」、読書館・郷土案内館にもなっている「氷川神社旭舎文庫」では受付の方にこのあたりのことについてお話を伺いました。(楽しいお話、ありがとうございます!)

 スタンプラリーのゴールは文星舎さん。創業100周年を迎えた櫻井印刷所さんの紙・文字・印刷の文化を伝える体験施設です。

中では活版印刷のワークショップが行われていました。とっても楽しそうでしたよ!

 お店の中に入って、スタンプでいっぱいになったフリーペーパーを渡します。

素敵な建物のスタンプが7つも!(ノベルティはスタンプ3つでもらえます)

 右上にご注目ください。ノベルティ引換え時に、印として押してくださる「文星舎」のスタンプ、

お店の方にお願いして写真を撮らせいただきました。ありがとうございます。

 なんと活版印刷なんです!(嬉しい)
 ノベルティの内容は素敵なしおりと「ほしおさなえ川越三部作 完全ガイド」。スタンプラリーで巡った場所がモデルとなって登場する3つのシリーズの人物相関図が見られます。相関図を見ながら作品を読み直すときっと楽しい。(今度の雨の日にお家でやろうっと)。

 この日は、夕方にほしおさなえ先生の講演会がありまして、そちらにも参加して来ました。熱心なファンの方がたくさんいらっしゃって、会の終わりがサイン会のようになり、私もスタンプラリーのノベルティにサインをいただくことができました。

どうもありがとうございます。

 講演会にお越しになっていた地元の方ともお話ができて、この辺りのおすすめのお店や、普段はもっともっと混雑していることを教えてもらったりもしました。悪天候だから人通りが少なかったんだとか。うむ。やっぱり、私は天気に恵まれていますね。

 教えてもらったおすすめの場所を、今日一日お世話になった地図に書き込んで、家路に着きます。今度は、今日見かけた面白そうなところや、地図に描いたみんなのおすすめの場所を巡りにこようと思う。楽しみがたくさんの地図になりました。

 最後に、夜の川越の風景の写真をどうぞ。地元の方が夜も素敵なんですよ! とおっしゃっていて、本当にそうだと思う。思い切って夕方のイベントに参加して良かったな、と思ったことのひとつです。

古い建物にライトアップが映えます。

 ……いや。だいぶ降ってますね?!


エッセイ No.128


「ほしおさなえの 世界をめぐる スタンプラリー」は11月10日(日)まで開催しています。

 川越市は関東では有名な観光地とのことでしたが、東海の自分は初めてで、本当に楽しい街歩きでした。週末のお出かけにぜひどうぞ!