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【リーダーによくある自滅】

この記事は,僕が実際に塀の中で非行少年たちに語りかけた内容を,記憶をもとに文字起こししたものです。塀の中の教室の空気感を想像しながら読んでもらえたらうれしいです。

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今日は,ルールの話をしようか。
これからみんなが社会で生きていく上で,
世の中の動き…特に政治や経営を考える時に覚えておいてほしい話だ。

さて

今日の集会では,みんなの中から「寮の雰囲気がよくない」という話が出た。どうやら,数ヶ月前にはなかったちっちゃなルール違反やマナー違反があって,それ以上に「だらしない雰囲気」があるようだね。

僕は普段あんまり寮にいられないから,僕より寮にいる時間が長い君たちがそう感じているのなら,きっとそれは正しいんだろう。

で,

今日の集会では,そういう状態を改善するために,何人かの人から「ルールを増やそう」とか「ルールを改正しよう」という話が出ていたね。

自分たちの生活空間や集団の雰囲気を向上させていくために,自分たちでルールを検討するというのは,悪いことじゃない。「自律」のひとつだし,自分で自分にルールを課すというのは,非行少年とは対極の存在である「紳士」的な振る舞いでもある。そういう感覚は大事にしてほしい。

ただね,

集団の維持や向上のために「ルールを決めなきゃいけない」という考え方は実は危ないこともあるし,必ずしも効果的とは言えないこともあるんだ。

これから君たちが社会に出て,健全に生き抜くことができたら,いつかはリーダーや責任者になることがある。集団を率いる立場になったとき,ぜひ今日の話を思い出してほしい。

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では改めて…

「ルール」ってなに?

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こんにちは!へいなかです! 非行少年の地域定着支援を仕事にするべく、経済的な基盤をつくるためにアレ…

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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。