心は風船って誰が決めた?
この記事は,僕が実際に塀の中で非行少年たちに語りかけた内容を,記憶をもとに文字起こししたものです。塀の中の教室の空気感を想像しながら読んでもらえたらうれしいです。
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少年院に限らず世の中は「ストレス」って言葉にわりと敏感だな。
「ストレス発散」
なんて,小学生でも使うようになった。
みんなの日記を読んでいても,
「今日はストレスの溜まる一日でした。」
とか
「ストレス発散ができない」
とかよく見かけるよ。
でもな…
ストレスってそもそも…
「発散”しなきゃけない”」ものなのか?
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ストレスの話をしてるとよく…
人の心を絵に描いたようなの見かけるだろ?
やれコップだとか
やれ風船だとか言って…
あふれるとか
破裂するとか言ってるじゃん。
君たちの中でもそういう表現をしょっちゅう使ってる人いるよな。
あれどうなんだろうな?
俺に言わせるとな…
人間をちょっとナメてるな,あれは。
まぁ間違ってはいないけど,
その理解ちょっと甘いぜ?
って感じだ。
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ストレスってのは本当に…
溜まったら外に出すしかないのか?
心ってのは本当に破裂するのか?
入ってきたストレスは…
発散させなきゃいけないのか?
俺はそんなことないと思うんだよ。
それも必要だけど,
別に発散以外にも対処法はあるんだ。
俺が「ストレス発散」て言葉を嫌いなのは…
その言葉によって余計にストレスを過大評価してしまうからなんだよな。
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放デイのスタッフをしながら、わが子の非行に悩む保護者からの相談に応じたり、教員等への研修などを行っています。記事をご覧いただき、誠にありがとうございます。