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とどのつまり「ユニクロ」が好きという話

私はスマホにユニクロのアプリを入れており、良さげな商品は"お気に入り"に登録している。
そうしておくと、それが値下げされた際などに通知が届くため、ユニクロ好きの私としてはありがたい。
好きなら定価でさっさと買えという話だが、それはそれで。

また、そのお気に入りや、過去の買い物の傾向を分析して、「あなたにおすすめの商品」なる報せが届くこともある。
これは「こんな商品もありますけどご存知ですか?」といった意味合いであるが、日頃から漏れなく、くまなくチェックしているため、私には不要である。
かと言って、決して迷惑だなんてことはなく、「わざわざ親切にどうもありがとう」といった気持ちだ。

ただ、少し気になる、引っ掛かる通知がある。
それは
あなたにおすすめの商品が期間限定価格になりました。
というものだ。
もちろん、私には何の支障も生じないのだが、何となく、自身の知らないところで勝手に事が運んでいる感覚を覚える。

知り合いから女性を無理矢理に紹介され、断ったのに、「あの娘"も"君のこと好きだって言ってたよ!」と言われているような感じ。

これがもうひとつ発展すると、
「あなたにおすすめの商品が期間限定価格になったので、カートに入れておきました。」
とかなりそう。
さらに進めば、言わずもがなで。

AIを題材にした漫才やコントなどで、こんなのはとっくにネタにされているのだろうが、それが冗談ではなくなる日は近いのだろうと、このユニクロのアプリで実感した。
でもまぁ、冗談ではある。

ただ、私がユニクロを好きな理由の筆頭として、豊富で様々なアイテムかあるから、あちこち探し回らずに、おおよそ、そこで済ませられるという点があげられる。
ということは既に、ユニクロから提案された、おすすめされた品から選んでいるようなものであり、元来の怠惰な性分が加齢により進行すれば、その勝手にカートに入れられたおすすめの商品を抵抗なく買ってしまう日も、いつか来るのだろう。
それはきっと年老いた自身が納得してそうしていることと思うから、良いか。

でもこれって、オレオレ詐欺とかで相手の言う通りにATMを操作して送金する感じと似ているような気もする。
将来的にはそれを指示するのが人間からAIに変わるのだろうが、人は時として、人間より機械を信用してしまう部分があると思う。
私は機械に疎く、仕組みなんて到底わからないが、それゆえに、逆になぜか鵜呑みにして信用、信頼してしまう節がある。

それは、機械、AIの世界においては、私はちょろい無知な"お子ちゃま"で、お菓子でもくれれば、そのAIという大人を簡単に信用して、ホイホイと着いて行ってしまう。
だから、「お金を受け取れますよ」なんて言われたら、指示通りに操作してしまう恐れも、将来的には大いにあり得る。

人が嘘を付くことは嫌ほど学習出来ているため、AIも嘘を付くことを肝に銘じておきたい。
もっとも私こそ、その嘘付きの最たるもので、ここにも嘘しか書いていないし、それも嘘だし、こんな人間のエキス、スパイスも多少はAIに振りかけられていることだろうから、とても信用出来たもんじゃない。

何だか意図せず、思いのほか良くない話に落ち着き、なんならユニクロのアプリが悪いみたいな誤解も招きそうだが、もちろん、とても便利に活用できる、極めて良心的なものである。

そして、ユニクロを好きという気持ちに、嘘はない。

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