ひとりきりの島

休職してもうすぐひと月が経つ。なるべく支出を出さないように部屋で引き篭もる毎日だ。仕事していたときは、ほとんど寝に帰るための部屋だったから、こんなに長い時間過ごすのは久しぶりになる。休職してまずはじめたのは部屋の片付けだった。長く過ごすのだから快適にしたい。散らかった服を片付け、掃除機をかけ、キッチンから風呂場まで丁寧に掃除をした。ずいぶんと、過ごしやすくなった。

部屋での過ごし方は静かなもので、ご飯を作り、食べ、コーヒーをいれて、積読していた本を読み、また料理をし、食べて、夜ちょっとだけ散歩をして、お風呂に入る。寝る前にキャンドルに火をつけてまた本を読む。時々youtubeも観る。映画もたまに。仕事をしていた時はできなかった穏やかな生活。これはひとときのバカンスのようなものだと思う。ここは誰もこない離島。舟を出さない限り、社会との繋がりがない今の私は、島の唯一の住人だ。ワンルーム、家賃6万円。ここは、私だけのひとりきりの島。