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読書記録Vol.74『野の医者は笑う』東畑開人・著

東畑開人さんの
野の医者は笑う

を読みました

私はパーティー会場の片隅で(正確にはエビチリの大皿と観葉植物の間で)、ウィスキーをあおっていた。紳士淑女の小粋な会話をよそに、私の頭の中は「世の中、何かが間違っている」と拗ねたり、「いや間違っているのは俺だ」と消え入りたくなったり、忙しかった。
そして、そういう忙しい頭の中を気取られないように、いかにも「社会的な価値」について新たな思索に耽っているような、深遠な目つきを演出したりしていた。
誰も私のそんな目つきを見ていないと気付いてからは、観葉植物のふりをして、この場をやり過ごそうと思い始めた。油断するとエビチリが話しかけてきそうで怖かったので、観葉植物でありながら、自分自身でもあるという不可能な命題にも取り組まなければならなかった。

いや、好きすぎる。
好きすぎて中略もせずに全文引用w

潤沢な研究費を前にした私は、パソコンなどを早速買い揃えた。私はお金を使うことに関しては、余人の追随を許さない。迅速かつ大胆に、あればあるだけ、消費する男なのだ。不幸にも収入が少ないから、景気を左右することは叶わないが、政府も私に資金を提供すれば、鮮やかな消費でこの不況を打破して見せるのに、と常々思っている。

「お金を使う」ことを
こうも前向きに
こうも面白く
表現できるなんてw

しかし、これからどうしようか。沖縄の春の陽気の中で、私は途方に暮れていた。
「なんくるないさ、様子を見よう」
私が難しい病院に勤める中で身に付けた最大の技法が、様子を見るということだった。時間がすべてを解決してくれる。そういう知恵だ。
「誰かが何とかしてくれるだろう」
基本的に甘い考えが好きなので、今回もそのやり方で対処することにした。

甘い考えが好きだということを
こうも堂々と
こうも大胆に
言えるなんて。

天使のように素直な私ですら、資本主義を呪い、『資本論』を紐解いたほどなのである(難しいのですぐに閉じたが)。もう一度同じ目にあったら、きっと取り返しがつかないほどに性格が歪むはずである(もう遅いという話もある)。

難しいのですぐ閉じたとか
もう遅いという話もある
とかの括弧書きが最高!

私は褒められたときのことを思い出すのが好きなのだ(馬鹿な奴だと思わないでください)。

すき!←だんだん語彙力がなくなってきた笑

夜になれば、涼しい風が吹く。泡盛で酔っ払って店を出ると、風が心地いいのが沖縄の夏だ。だけど、スウェーデンで吹いている上品な風と違って(行ったことないけど)、沖縄の風は日中にどこかでかかれた汗が薫ってくる。

行ったことないんかーいw


いやね!!!


違うんですよ、
もっと高尚な話(だと思うん)ですよ!

だけど、
端々に広がる
東畑さんワールドが
好きすぎてもう
こんな感想になってしまったw

あー面白かった!

みほ


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