失恋の詩

赤りんごは照れているから、赤いのか?
青りんごは、未来が手に取るように見えてしまって、悲しいから青いのか?

俺は両方を打ち砕きたい。地面に叩きつきて粉々に。

あのときの君は、まさに赤かった。それは俺が照れさせていたから。恥ずかしいと思わせていたから。
しかし、俺はそんなに楽観的ではなかった。どうせ三カ月も経てば、すぐこの恋は終わるだろうと思ったからだ。

そして、その通りになった。
その瞬間の俺だろうと、今の俺だろうと、俺には机の上の二つのりんごが、両方ばかで、現実に手足が出ない無力な存在にしか見えない。

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