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ナシカンダール(インド系)VS経済飯CURRY(中華系)

 南洋のカレーの研究にあたり、外せないのが「ナシカンダール」と「経済飯」でしょう。
 ナシカンダールは、ペナン発祥で、インド系ムスリムが母体のようです。時は18世紀、インドからのムスリム系の人々が、「天秤棒(カンダール)をかついで「ご飯(ナシ)」を売り歩いた、というところからできあがった店の形態名です。
 ちなみに、下記の雰囲気。KLの店です。よく写真残して店の外壁に貼れたね。

 再びちなみになのですが、インド系ムスリムです。上記の店にはしっかりと「礼拝室」がありました!さすがマレーシアですね。(少々大きなバスターミナルなどや大きな公共施設にも必ずあります)

 余談でした。

 ペナンにもKLにもナシカンダールの店はかなりあります。24時間営業の店がなぜか多いですね。下記はペナンで行列がすさまじく、大抵紹介されているのが「HAMEEDIYAH」ランチタイムでしたら少々時間をずらしたほうがベターです。

 ナシカンダールの店の特徴としては(さすがに今では天秤棒は見当たりませんが)、ショーケースに並んだ料理を、お客さんが好きなものを選んで、スタッフにワンプレートに盛り付けてもらい、会計でプレートを見せてお金を払う、というシステムです。
 例えば大きなエビとかイカとか(前面に置かれる!)魚介系は少々お高めですが、無難にチキンと野菜を選んでおけば、驚くほどの高額にはならないのが通常のようです。私はマトンを選んでしまって、テタレを入れてRM25くらい。ちょっと高かったなあ。でもおいしかった。

 そうなんですよ。ショーケースに並ぶ料理それぞれに価格が貼られているわけでもないし、どこかに書かれているのかもしれないですが、特に旅行者の注文としては通常「レジで金額が判明する」ということになってしまい、少々腑に落ちないところです。何とかならないかなあ。

 他方の経済飯。
「BEACH ROAD SCISSORS CUT CURRY RICE」
 キャプション写真の左のナシカンダールと比べ、同じカレー??というほどの違う料理ですよね。でも店名にしっかり「CURRY」と書かれている!
 

 システムは、ナシカンダールと全く同じ。ショーケースに並んだ料理からお客さんが好きなものを選び、レジで会計する。
 こちらは店の壁にメニュー?が貼られてはいるのですが、やっぱりここも常時混んでいるし、注文に慣れないと、前の人の注文を真似たり(たぶん人気メニューなのでしょう!)するので、結果は同じく「レジで判明」となるのです。「経済飯」というくらいなので驚くことにはなりませんが。


 店はシンガポールのLITTLE INDIA の中ですが、お客さんは中華系がほとんどでしたね。(写真は夕方前のあまり混まない時間帯を狙ったときのものです)。
 一人客のインド系のお客さんを見かけたので「中華のカレーがお好きですか?」って聞いてみようとしたのですが、この種の店はゆっくり食事をするものでもなくて、食べたらささっと席を立たれてしまいました。残念。

 ナシカンダールのほうは、出所と歴史がそれなりに残っています。一方の経済飯のほうは、まあ、これいわゆる「ぶっかけ飯」だし、あまり歴史を語るようなものでもないのかもしれませんが、システムが両者非常に似ているところが面白く感じました。味はかなり違います・・

 ちなみに「経済飯」。他店なのですが、英語表記でしっかりと「経済飯」でした(笑)  ECONOMICAL CURRY RICE たぶん同じ内容なのでしょう。

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