「透明感のある餃子は家庭ではできません!?」
餃子って、当たり前のように小麦粉を使うように思ってきたのですが、「米粉餃子」を作ってみて以来、皮の様々なバリエーションの深みにはまっています。
1.香港での飲茶の楽しみ
香港は昔も今も超人気の観光地なのですが、「食」を大きな目的の一つにする人はかなり多いと思います。なかでも「飲茶」。ある意味で最も香港らしい食べ物と言えるとも思います。
それでは、飲茶の中での一番の人気メニューは?
もちろん人それぞれなのでしょうが、かなりの上位に来るのは「エビ餃子」なのではないでしょうか。
下記は昨年11月に香港で友人二人とテーブルを囲んだときのもの。(一部撮りモレ)。目玉は鳩のローストなのですが、必ず注文してしまうのは、エビ餃子でした。プリッとした食感は今でも思い出され、安定の一品と言えます。
2.高田馬場での飲茶の楽しみ
一方で、日本で飲茶を楽しむとすると、高級中華料理店はまた別枠ですし、如何にも香港の、やたら広くて遠慮がいらないカジュアルな店、を探すのは簡単ではないです。その中でも、こじんまりとはしていますが、街中の気軽な店としてかつ本格飲茶を楽しめる店が、高田馬場の「裕豐祥」です。
☎03-3363-8000
やっぱりエビ餃子は注文しました。残念ながら二人だったので、注文の数も少なく、「飲茶の真髄」には届きませんでしたが、それでも十分に香港を思い出すことができる、貴重な店です。
さて、餃子の皮に拘りだして以降、この店での初めての注文です。「五目蒸し餃子」4個¥680。この透明感!これを求めています!
普通のエビ餃子(蒸し)(右)と比べると皮の違いがよくわかります。
この透明感をどうすれば出せるか!
普通のエビ餃子と皮をなぜ分けるか?
疑問が尽きません。
店の点心師さんに聞いてみたのですが、通訳さんを入れながら丁寧に対応はいただいたものの、簡単に把握できることではなさそうです。片栗粉と他の粉の分量の配分をわけている、ということですが、浮き粉ではないかとは思います(外国語での難しさ・・)。
Q:「透明感を出すには」
A:「それは技術です」
Q:「家庭でもトライしてみたのですが」
A:「ご家庭でこれを出すのは無理でしょう」
もっと勉強します!!
3.餃子の「現地化」についての仮説
餃子の「伝統」は、中国東北地方の水餃子で、世界でもかなり幅広い地域に、ほぼ原形通りに伝播されています。
それに対する「地域化」は、これからが仮説になるのですが、様々な地域化がある中で、一番汎用性が高いのが「エビ餃子とその周り」ではないかと思うのです。(例えば日本の焼餃子文化は、「居酒屋文化」と結合されたかなり独特の文化ではないかと思います)
東北地方の水餃子=米の代わりになる「主食」としての位置付け。
南方に渡り地域化されたエビ餃子=「副食」としての「軽さ」と共に、豊富なバリエーションを展開。更に、皮の材料も、小麦粉、浮き粉、片栗粉、タピオカ粉、そして、米粉!! と豊富に使い分けられ、様々な個性を演出しています。典型の一つが「半透明餃子」(CRYSTAL DUMPLING)。
飲茶の海外チェーン店で日本で一番有名なのは、鼎泰豊(台湾系)と添好運(香港系)なのですが、添好運がCRYSTAL DUMPLING を含め餃子のバリエーションが広いのに対し、鼎泰豊は小籠包が主力ということなのか、餃子のバリエーションは広くありません。この辺が、台湾(福建)と、香港(広東)の違いの一つのように感じるのですが、広東は更に「潮州」が加わって、洗練度を高めているように憶測します。
引き続き、「餃子現地化の旅」は進めていきます!!
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