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プロとは何かを考えた毛玉事件

気候の急激な変化に耐えられず、体調を崩してしまいました。
忙しい日が何日か続きながらも、それなりに過ごしていましたが、ある日の午後にいきなり鼻水の洪水…
その後は洪水との戦いを数日繰り広げております。
…汚い話でごめんなさい。

しかし、そんな時こそ、何だかなあーと思う事は、続くものと、昔から相場は決まっているのです。

今回はドゥードゥルの満載毛玉!!


ドゥードゥルとはレトリバーとプードルの掛け合せで、出来た比較的新しい犬種で、ふわもこが可愛らしい種類。
どちらも頭のいい犬種で知られる為、介助犬にと作られたようですが、今のところ私は、介助犬のドゥードゥルは見たことはない。笑
そして、両方の毛の特徴を引き継ぎ、緩いカーリーヘアが高密集で生え、ひと言で言うなら「大毛玉になりやすい!」

足だけ毛玉と聞いていましたが、蓋を開けてみれば、全身に成長期のがちょこちょこと、大きいのがちょこちょこと…。
ちゃんとチェックしなかった私が悪いのは、もちろんですが、こんな仕打ちって…。

正直、途中で逃げ出したいと考え、逃げる理由を考えてました。

私達にお金が直接入る訳ではないし、半分解いたし、他のサロンの方に任せたって、罰は当たらないではないのでは?と、まで考え始める始末…

私は毛玉代を貰うのが凄い苦手で、いつも少なめで請求してしまうのです。
というのは、「文句言われたらどうしよう…」という、まだ出会った事もない人物の事を考えてしまい萎縮してしまうのです。
何年もやっていて、毛玉代で文句を言われた事は一度もないのに。


毛玉解きは楽しい作業ではないので、ブツクサ言いながらやっていると、受付時の飼い主さんを思いました。
「ブラッシング、やってはいるんだけど、どうしても毛玉になってしまって…」

私の中のひろゆきは反論「それは貴方の意見ですよね。」

そして、私の中のひろゆき以外がそれに反論「お前は生活全てにおいて、ちゃんとしてるのか?」と。

はい論破。

この日は、体調不良と、マスクを言い訳に、化粧等は適当。
よくこの程度で、出社してきたなと言われたらぐうの音も出ないほど。
それ位に私はナマケモノ🦥

トリマーはよく、飼い主さんに毛玉を注意します。
ブラッシングを、家で出来ないなら丸刈りにしますよ!と…。
思えばこれは、脅しも同じ事だなと思います。

ちゃんと出来ない事と、丸刈りは本当にイコールなのだろうか?
ちゃんと出来ないからこそ、プロに頼んでるのではないのだろうか?

もちろん、出来ないなら毛玉にならない間に、プロに出すのがベストですが、家庭環境(お子さんに手がかかるなど)、経済状況などによって、そうも言ってられない時もあるのではないでしょうか?
現実、私はこの日、体調不良により、ほぼノーメイクだし。

毛玉だらけは虐待だ!そんな人は飼う資格はない!と言う考えのトリマーも中にはいます。
説教の様に、強く言ってしまう人も、やる気ゼロの対応をしてしまう人も、もちろんいます。

私自身、この考え方を採用はしていないが、気持ちはよく分かる。

トリマーだって人間なのだ。
犬が好きで入って来た業界だ。
目の前で、野良犬とさして変わらない姿を見てしまえば、悲しくもなるし、怒りたくもなる。
実際、泣きたくなる時もある。

でもね、私たちが相手をしているのは、犬だけではなく、人間です。
完璧な人間なんてどこにもいないし、人によって持ってるもの、持ってないものが違う。

そういう人達に、どこまで寄り添えるのかが、プロとしての腕の見せ所ではないでしょうか?

可愛いカットも重要かもしれないけど、“人間力“みたいなところで、好きになってもらいたいなと思います。

なお、8000円の毛玉代を提示していた、同僚のメンタルは是非とも見習いたい。



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