✦キャンディケインストーリー:クリスマスの魔法が起こした小さな奇跡
遠い昔のこと
キャンディ工場で働いていたジャックのおじさんは、甥っ子のジャックをとてもかわいがっていました。休みになると、川沿いを散歩したり、公園で遊んだりと、いろんな場所へ一緒に出かけるのが2人の日課でした。
ところがある日
おじさんが仕事帰りに転んで足の骨を折る大ケガをしてしまいました。治療のかいあってケガは完治しましたが、歩くとバランスを崩してしまう後遺症が残り、思うように歩けなくなってしまったのです。おじさんは職場には送迎車で通っていましたが、外に出かけることが少なくなり、甥っ子のジャックとも一緒に遊べなくなりました。
それまで笑顔が絶えなかったおじさんが、どこか寂しそうに見えるのを見て、ジャックは胸を痛めていました。
ある日のこと
ジャックは学校の図工の時間に、粘土で人形を作りました。その際に、先生が「支柱をつけると人形が倒れなくなるよ」と教えてくれたのを聞いて、ハッと思いつきました。
「そうだ!おじさんも支柱があれば転ばなくなるかもしれない!」
学校で習ったとおり、紙を筒状に巻いて支柱を作り、それを手におじさんを訪ねました。
「おじさん!これを使ってみて!きっと歩けるようになるよ!」
おじさんは笑顔でそれを受け取り、杖代わりにして歩いてみました。
「おお、ジャック!歩けるぞ!」
2人はおじさんがまた歩けるようになったことを喜びました。しかし、その紙の支柱はすぐにぐにゃりと曲がり、使えなくなってしまいました。
「もっと丈夫なものを作らなきゃ!」
ジャックは考えました。そして、おじさんが働くキャンディ工場の飴で作れば、丈夫な杖ができるかもしれないと思いつきました。
工場に行ったジャックは、色鮮やかな飴を使って試行錯誤を重ね、持ちやすいように手の部分を曲げたり、飴をねじったりして工夫を凝らしました。ついに完成したキャンディの杖をおじさんに渡しました。
「おお!これは丈夫だし持ちやすい!ありがとう、ジャック!」
おじさんは以前のように元気な笑顔を見せてくれました。
「そうだ、ジャック!」
おじさんは思いつきました。
「このキャンディの杖をたくさん作って、困っている人たちに配ろう!もうすぐクリスマスだし、きっとみんな喜ぶよ。」
そうして2人はキャンディ工場で力を合わせてたくさんのキャンディの杖を作りました。クリスマス当日、ジャックはその杖をいろいろな人に配り歩きました。
キャンディケインに込められた思い
こうして生まれたキャンディの杖、「キャンディケイン」。
クリスマスの定番アイテムとなったこの飴には、「困っている人がいたら、手を差し伸べましょう」という助け合いの心が込められています。
最後に
これは、キャンディケインに込められた思いを題材にして私が考えたストーリーです。
キャンディケインの赤と白の縞模様には、愛と純粋さが込められていると言われます。この小さな杖が、誰かを思いやる心をそっと灯し、クリスマスの奇跡を起こすきっかけになりますように。
メリークリスマス