ツボと目安

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鍼灸の専門学校に通っている学生さんは、入学してすぐに習うかと思いますが、ツボを探す目安として、

 1:骨や関節、筋肉
 2:皮膚の温度がその周囲より低いもしくは高いところ
 3:自然と手が行くところ

などが主な目安でしょう。

ではそれぞれについて簡単にご説明します。

1:骨や関節、筋肉

 骨の場合:
  たとえば手首の親指側。ちょうど脈が触れるあたりですが、そこに
  ちょっと骨が尖っているところ、わかると思います。
  橈骨茎状突起と呼ばれる場所ですが、そこから1寸に経渠、1.5寸に列缺
  があります。

 関節の場合:
  ここも手首を使いましょうかね。手首の内側、ちょうど中央から肘に
  向かって2寸、内関があります。

 筋肉の場合:
  これは手三里を例に出しましょう。長橈側手根伸筋と短橈側手根伸筋の
  間にあって、肘のすじのところにある曲池から手首に向かって2寸の
  ところです。

 このように、骨や筋肉を目安にツボを探すときに、〇寸、など普段使い
 慣れているセンチメートルではない距離の表し方してますよね。
 1寸は約3センチメートルといわれていますが、わざわざ物差しや定規で測るというのも面倒ですね。

 そこでこの記事の一番初めに挙げた画像が参考になります。

 ご自身の指でおおよその寸法の目安とすることができます。
 (同身寸法といいます)

 大事なのは、あくまでもツボを見つけたい人の「指」で行うということ。
 だれかほかの方のツボを見つけたいときには、その方の指で距離を測る。
 でも、わざわざその方に協力してもらうのもおかしいですよね。
 そのため、測るのはツボを見つける人、ただし、指で距離を測るときに
 ツボを見つけてあげたいその方の指の幅をイメージして距離を加減する
 ことが肝になります。

 さてさて、図の解説です。

 1番上は親指ですね。親指の幅をおよそ1寸とします。
 ※1寸は約3センチではありますが、同身寸法の1寸と実際の1寸は異なって
  いること、まずは理解してください。理由は・・・覚えてないですw

 2番目は親指以外の四本の指をそろえています。
 人差し指と中指をそろえた幅が1.5寸、薬指まで入れると2寸、4本の指
  すべてでは3寸となります。

 一番下は、1尺ですが、手首から肘のすじまでを表しています。
 どこで参考にするのかというと、例えば足(ももにあるツボなど)や、
 背中などですね。

 ちなみに、骨度法といって、全身の各部位の距離の表し方もあります。

2:皮膚の温度がその周囲より低いor高いところ

 同身寸法や骨度法以外にも、手の甲で、皮膚の温度を探って、やけに
 皮膚温度が低く感じるもしくは高く感じるところ、こういったところも
 ツボとして活用できます。
 同身法や骨度法で探ったツボをさらにこの温度の違いを見てより詳しく
 ツボをとっていく方法もありますが、そこまで厳密にならなくても、
 温度の違いだけを見ても、おおよそ体は何かしらの変動をその場所で
 表現してくれています。
 ポイントは、「手の甲」で温度を探ること。手の甲のほうが、微妙な
 温度差、意外とわかりやすいですよ。
 ただし、探る場所にしばらく手を置いて温度を探るのではなく、軽く
 さするようにして体温がその場所に移らないように気を付けて
 くださいね。

3:自然と手が行くところ

 これは皆さん自覚があるんじゃないでしょうか。肩や腰に手が行きません
 か?これは特にセルフケアにおいて大事ですが、ついつい無意識に手が
 行っているところ、ツボという表現は正しくないかもしれませんが、
 なにかしら体が「ここだよ」って教えてくれている場所です。
 一応、「阿是穴」という表現をすることもあります。


大まかにツボを探すときの目安などを書きました。

練習がてら、ご自分の足や腕でツボを探す練習をしてみてはいかがでしょうか。ツボを見つけたら、つまようじの先を軽ーく当ててみてもいいかもしれませんね。

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