日本語が消滅する!? ー2024年2月の読書は刺激的な9冊
2024年2月の読書は9冊、いつもながらのジャンル不問であるが、偶然にも「コミュニケーション」という点で共通点が多かった。
あらためて、コミュニケーションとは何か?を考えさせてもらうことにもなる。
①FBI式 人の心を操る技術(ジャニーン・ドライヴァー/高橋結花 訳)
7秒で相手の内心を読み取り、自分の思う方向へ誘導するFBI式ボディランゲージ読解法は全米の司法関係者が採用する技術とのこと。
しぐさ(癖)から人の心理状態を読み取ることが操るための基本。そしてそれは技術であり、訓練で身につくということなのだ。
しぐさはお国柄によっては異なるので、日本人に適応していない点はあるが、それを差し引いても「目からうろこ」の情報はあり興味深く読めた。
さて、今日から私に会う人は心を操られるので要注意である笑。
②カウンセリングとは何か(平木典子)
27年前に刊行された古い本であるが、内容と実践を支える理論は普遍的。
一つとして同じプロセスを歩まないカウンセリングという方法を出来る限り一般化して、専門的なことを私のような初心者にも理解しやすいよう丁寧に詳しく説明してくれる。
プロのカウンセラーとしての平木氏の「読み手」との相互作用の真髄を感じとれる。
4月からの私の仕事は“就職支援コーディネーター”
相談者はカウンセリングを受けたいのではなく「就職したい」と思ってきている。傾聴とのバランスは難しいと思うが、カウンセリングの原点を大切に、相談者に寄り添っていきたい。
③村雨辰剛と申します。(村雨辰剛)
スウェーデンから見て謎に満ちた日本に冒険し、日本人になった「和洋魂和才」の村雨氏の原動力は「好き」であること。
好奇心旺盛、チャレンジすることを恐れない(楽しむ)村雨氏のメッセージは56歳から転職2回チャレンジした私の心に熱く響く。
私はあなたのことが「好き」になりそうである笑。
④日本語が消滅する(山口仲美)
題名を見て“そんなはずねえだろ”と思ったが、歴史上で起こった言語消滅の事例を聞くと“もしかしたら…”と日本語が消滅する可能性がゼロではないことに気づかされる。
消滅への警鐘は筆者の思いが先行して飛躍する部分も感じるが、日本語を「母語という宝物」として考えること、言語に優劣はなくどの言語も唯一無二であると再認識したことは、58年以上当たり前に日本語を使ってきた自分への新鮮な刺激になった。
言語が消滅する、それは言葉がなくなるというだけの話ではない。
⑤その悩み、エピクテトスならこう言うね。(山本貴光/吉川浩満)
古代ローマの哲学者の思想を現代風にわかりやすく解説する。
読後感は「なーんだ、そんなことか」笑
でも、自分たち(私)がいかに「そんなこと」に不必要に悩んでいるか、当たり前のことに気づかず生活していることを再認識する。
そうならないようトレーニングを推奨しているところが面白い。
さあ、Let’s エピクテトス!
⑥妻から哲学 ツチヤのオールタイム・ベスト (土屋賢二)
哲学者 土屋氏による妻への愛、同僚・学生との哲学的対話が愛情込め切々と綴られる。
尚、ここで言う愛情とは独断と偏見にまみれて誠実に相手と接すること、哲学とは自分が優位に立つために屁理屈をこねてマウントとることと私は正しく理解している^-^
とても楽しい一冊、こんなユーモアセンスあふれる文章を自分も書きたいと思った。
⑦温かいテクノロジー 22世紀への知的冒険(林要)
Pepper開発に参画した著者の夢はドラえもんを作ること、前提は人間を知ること。
人の労働を助け、生産性を高めるという従来型ロボットから発想転換し、家族型ロボット「LOVOT」の開発を通じ人の心をケアし、温かくするテクノロジーを構想する。
固定観念や偏見を持たないロボット(AI)は、実は傾聴に向いている。
コーチングやカウンセリング分野においてもAIと人間の共存の可能性を感じとれた。
⑧「よく見る人」と「よく聴く人」 共生のためのコミュニケーション手法(広瀬浩二郎/相良啓子)
目が見えない研究者と耳が聞こえない研究者が綴るのは障害理解ではなく「人間のコミュニケーション考察(わかりあう工夫)」
お二人の生き方を見て、自分がつい障害者に抱く「できない」を強く揺さぶられる。
多用なコミュニケーションツールの恩恵の裏で失いつつある大切なものを思い出させてくれる。そして「できない」という固定観念を外すこと、つまりそれは自分自身への固定観念(思い込み)を外すことでもある。
⑨ネガティブフィードバック 嫌われても、きちんと伝える技術(難波猛)
私は部下からネガティブフィードバックをもらいやすくボスマネジメントされるタイプの上司を長年演じてきた笑。
20年以上の中間管理職の経験で思い出すのはやり直したいことばかり。
そんな後悔をしないよう、人事コンサルタントとして2000人以上の管理職研修や3000人以上のキャリア支援を行ってきた筆者が指南してくれるのは、「耳の痛い情報」を正しく部下に伝えることで、行動変化・パフォーマンス向上へ導く実践のメソッド。
精神論ではなくコミュニケーション理論・リーダーシップ論・キャリア理論・心理学・脳科学を駆使して丁寧に解説してくれる。
これで「会社にしがみつくおじさん」も「会社にしがみついてほしいおじさん」に変わるかも!?
また、現在グローバル人材育成を行っている自分の視点でいえば、欧米ではネガティブフィードバックは「当たり前」のこと、いうことを日本人はよく認識しておく必要があるとも感じた。
以上、私のルーティン、読書投稿を最後まで読んでいただきありがとうございます。楽しくインプットし、アウトプット(行動)する読書、これからも続けていきたいと思っています。ではでは。