小林麻美さんとの再会から~2024年3月の読書9冊~
2024年3月の読書は9冊。
共通テーマは…ない笑
あえていうと芸能人による著書が2冊。
①小林麻美 I will(延江浩)
今は滅多に聞かない“アンニュイ”という表現が70歳の彼女に今なお似合う。
1991年、突如として引退し消えたときは「野獣死すべし」で主人公(松田優作)に射殺されて本当に死んだのかと妄想した笑。
上品で奔放な不良令嬢としての生い立ち、ユーミンとの友情を経て綴られた評伝から、その“アンニュイ”の背後が読み取れる。
②フリースタイル言語学(川原繁人)
ポケモンが進化すると濁音名が増えることに注目し学会発表までした言語学者は、何よりも自分が「楽しく」学問をすることで学生に「学ぶことの楽しさ」を伝える、快楽のランニングマシンのロールモデルである。
言葉遊びしながら意外に深い?言語学を学べる一冊。
③青春タイトルマッチ 明日に向かって(近藤真彦)
神奈川県大和市出身の今年還暦のマッチ、今月某日、私の自宅(横浜)から徒歩20分の公共施設で凱旋ライブを行った(行かなかったけど笑)。
本書は当時16歳、たのきんトリオとして売り出し中で勢いにのるマッチの奔放で真っすぐなメッセージが綴られる。
昔、男子はみんなマッチヘアだった。
マッ チでーす!
④ワーキングドッグ わたしたちの社会ではたらく犬たち(編著/福澤めぐみ)
ワーキングドッグ(使役犬)は専門家から特別な訓練を受け、日々私たちの社会/それぞれの現場で貢献している。
最近では能登半島地震で災害救助犬が出動、アフリカ豚熱の検疫にも一役、神奈川県警の警察犬ニケが4回目の表彰を受けるなど大活躍。
なぜ人の生活で役立つことを長きにわたり担ってくれているのか、「人を助ける犬たち」のことを人である私がもっと知り理解を深めるべきとあらためて実感した。
⑤公務員という仕事(村木厚子)
郵政不正事件の冤罪に巻き込まれながらも厚労省事務次官まで務めた元キャリア官僚が若い公務員や公務員を目指す人たちへ「公務員の仕事」を丁寧に解説する。
村木氏の公務員人生に対する確かな自信と愛着が最も心に響く。
2年で異動が基本、長い距離をバトンでつなぎながらチームで大きな仕事にチャレンジするという公務員の仕事の醍醐味が若い人たちにどれだけ響くだろうか。
「お上」をバッシングするだけでなく「お上」を目指す人が増えていくために日本人に足りない「市民」意識を高めたい。
⑥他者の靴を履く アナ―キック・エンパシーのすすめ(ブレイディみかこ)
エンパシーは身につけるもの(能力)、シンパシーは内側から湧いてくるもの(感情)、日本語訳はともに「共感」
カウンセラーに必要なのはエンパシーだが使い方によっては本人が支配されたり、闇落ちする危険性がある。
エンパシーとしての「共感」の意味は自分が考えていたよりも多様で深い、引用が多く少々難解で違和感もあるが、逆に自分自身の勉強が足りないことも実感する。
キャリアコンサルタントとしてのエンパシーを高めたい。
⑦月を見てパンを焼く 丹波の山奥に5年先まで予約の取れないパン屋が生まれた理由(塚本久美)
リクルート退職後、いきなりパン修行の道に入り、今は丹波の山奥でひとりでパンをつくり、売る(通信販売)。
が、その生き方は孤独ではなく、理想への情熱にあふれる彼女を応援するたくさんの人たちに支えられた物語。行動力が呼んだ文字通りのプランド・ハップンスタンスを活かして夢を実現したのだ。
⑧コロナショックと昭和おじさん社会(河合薫)
終始続く政府や経済団体への批判的論調のせいか、少々辟易するが、格差社会を引き起こす日本社会への指摘内容と理論的根拠はしっかり示されていて利他と利己を考え直す入り口にできる。
「利他」で働き過ごすことで「利己」を育てる人生を歩みたい。
⑨超デジタル社会ーDX、メタバースのゆくえ(西垣通)
ビッグデータや集合知をめぐる議論を牽引してきた第一人者の現状分析はDXとメタバースへと突き進む議論に待ったをかける。
オープンなデジタル化がもたらした人々を傷つけるネット社会、ローカルな完璧さを求める日本人との親和性の悪さ、そして何よりも数量化されることによる「精神的貧困」の恐ろしさ。
米国サル真似でない日本人に合うデジタル化、デジタル庁への期待はここにあるが…
自然科学を避けてきた私にも、筆者の豊富な経験と卓越した知見に基づくフラットかつ重要な分析であると理解できた。
以上、私の読書記録にお付き合いいただき感謝いたします。
一貫性がない分、脳の活性化になったようにも思います。
自分の実践(アウトプット)に必要な要素としては4月からの仕事に必要な「エンパシー」なので、もう少し勉強するとともにスキルを高めようと思います。まず、現場での実践から学びます。
尚、本日は2回目の転職初日でしたが、マイペースで読書投稿を優先することにしました。