巣喰う痛み
痛い…
またか…
文明の利器をもってしても抑えきれない痛みが
目の前を赤く染める
奥の奥に隠していた醜態がお前にもあるだろと
思い知らせるかのように
本当は大切な役目を終えた尊い存在なのだけど
そしてその尊い痛みのおかげで
命が紡がれているのだけど
服を洗い
スリッパを洗い
マットを洗い
絶望を洗い
さっきまでの相棒は袋の中
あんなに巣喰っていたくせに
決別はあっさりとしたものだ
ゴミ捨て場からの帰り
風に頬を撫でられる
そんなわずかなことに
涙が出るほど救われる
今日も痛みと共に生きるか
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