脳科学からみた傾聴(話を聴いてもらうこと)の効果その4
あなたはこういう経験はありませんか?
・愚痴をえんえんと聞いてもらったらなんだかスッキリして、その事がどうでもよくなってしまった。
・悩みを相談していて話をひたすら聞いてもらったら、頭の中が整理されてきて自分で答えにたどり着いてしまった。
・ひたすら話を続けて聞いてもらったら、自分で自分の思いや考えに気づいてビックリした。
上記3例が傾聴でよくみられる効果です。では一体、なぜこういうことが起きるのか?実は話している人の脳の中でいろんなことが起きているのです。自称、傾聴解明マニアのわたしが傾聴を脳科学の視点で書いていきます。
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4・話の意味を理解しようと努めると脳はシンクロする
わたしはカウンセリング(傾聴)の師匠から、人の話を聴く時は
「一生懸命聴け」とか「感情を感じろ」と言われてます。講座のたびに毎回毎回、同じことを言われます。これを脳科学の視点でみると
話し手の脳とシンクロさせろ
と言われていたんですね、ビックリでした。
前頭葉(frontal cortex)や頭頂葉(parietal cortex)を含めた脳の深部へとシンクロが広がっていくのは、首尾一貫して全体の話を聞いた時に限られた。そして、これは、脳の高次領域で聞き手が似通った反応を示すのは、話し手が発する言葉や音ではなく 伝える「意味」にあることを示唆する。もし、そうであるならば、まったく別の言語を用いて、同じ内容を話したとしても、脳の反応はなおも類似したものとなるであろう(5)。
そこで、ハッソン准教授は英語で書かれた物語をロシア語に翻訳し、英語を母国語とする聞き手に英語で書かれた物語を語り、ロシア語の聞き手にはロシア語で物語を語って、両グループの反応の違いを比較する実験をやってみた(5)。一人の女性ボランティアに物語を話してもらい、それをオーディオで記録し、二度目はこれをロシア語で語ってもらったのである(3)。
英語とロシア語は、発音も体系もまったく異なる言語である。このため、伝える意味が全く同じであっても、聴覚野の反応には類似性が見られなかった。けれども、高次領域の反応では集団を越えた類似性が見られ(5)、英語でもロシア語でも同じ部分でニューロンが発火した(3)。これは、話が理解されたからに他ならない(5)。
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次回はシンクロする脳について詳しく書いていきます。引き続き読んでいただけると嬉しいです。
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