見出し画像

投資の心理学7:後知恵バイアス

後知恵バイアスとは、認知バイアスの一つで、出来事が起こった後に、「そうなると思っていた」とあたかも予測可能だったと錯覚する傾向を指します。
過去の結果を振り返る際、その結果を知っているために、あたかもその結果を予測できたかのように思い込んでしまう現象です。
このバイアスは、過去の出来事を都合よく解釈し、客観的な評価を妨げることがあります。



『魔法使いマーリンの水晶玉と、予言の落とし穴』

▶︎マーリンは、水晶玉を使って未来を予知できると噂される魔法使いだった。
ある日、マーリンは、「明日は晴れるだろう」と予言した。
しかし、翌日は、実際には雨が降った。
マーリンは、慌てて水晶玉を確認した。
すると、水晶玉には、晴れの予兆だけでなく、雨の予兆も映っていた。
しかし、マーリンは、後から考えると「最初から雨の予兆も見えていた」と都合よく解釈した。
マーリンは、自分の予言が外れたにも関わらず、まるで予知できていたかのように語った。

▶︎弟子たちは、その言葉に疑問を抱いた。
弟子の一人が、「マーリン様は、なぜ雨の予兆を無視したのですか?」と尋ねた。
マーリンは、自分の都合の良いように過去を解釈していたことに気づき、恥ずかしくなった。
マーリンは、後知恵バイアスに陥っていたのだ。
マーリンは、過去の結果を知って、それを予測していたかのように錯覚していた。
マーリンは、過去の出来事を都合よく解釈するのではなく、客観的に振り返ることの大切さを学んだ。



  • 投資においては、過去の市場の動きを振り返る際に、後知恵バイアスが働くことがあります。

  • 例えば、過去に特定の銘柄の株価が上昇した際、「あの時買っておけばよかった」と後悔する一方で、実際にはその時、その株価上昇を正確に予測することは困難であったにも関わらず、「予測できたはずだ」と思い込んでしまうことがあるのです。

  • また、過去の投資で損失を出した場合、「やはり予想通り損失になった」と、自分の判断の誤りを客観的に分析することを妨げてしまうこともあります。

  • 後知恵バイアスは、過去の経験から教訓を得ることを困難にし、同じ失敗を繰り返す可能性を高めることでしょう。



人生で迷ったとき、心理学はそっと背中を押してくれる優しい友人です

いいなと思ったら応援しよう!

Mr.こころの虹
よろしければ応援お願いします。 あなたに役立つ記事をこれからもご提供できるように努力いたします。