昨日、N2の生徒さんにフリー会話レッスンをしました。でも、いきつくところは、やっぱり『初級文法』です。
昨日、N2の生徒さんにフリー会話レッスンをしました。
100%フリー会話レッスンですから、
「白紙」
からスタートです。
そして、これは、レッスンが30分くらい経ったときの書き込みシートです。
白紙から始まるフリー会話は、学習者さんの「話したい」の流れのままに進んで行きます。
そしていつも思うのですが、N2の方にフリー会話をしても、上級者に教えても、やっぱりいきつくところは
「初級文法理解」
なのです。
ここに辿り着くのです。
日本語の基礎は「初級文法」です。
上級者の理解不足は「初級文法から」です。
日本語教師にとって、学習者の日本語上達に一番大切なのは「初級文法」です。
この日は、会話の流れで
「学校の先生に指示されました」
と、出ました。
彼女は、どんな気持ちでこれを発言したのか探りました。
そして、
「受け身を使った方がこの学習者さんの意図に合ってる」と分かり、受け身での文を説明しました。
この文の間違い訂正はこれでスムーズに行きました。
ですが、
「???もしかしたら、受け身自体、まだすっきり理解してないのかな、、、?」
と思い、たずねてみました。
そうすると、
「先生、日本語の受け身はとても難しいです、、、(´・ω・`)」
とのことでしたので、受け身の大切な部分を5分くらいで整理しました。
そして、もし、受け身をうまく使えない時には、こうするといいですよ、というアドバイスを提供しました。
ここまで説明して、彼女は
「本当によく分かりました。」
と、納得されました。
N2の方へのレッスンです。
ですが、私が主に文法解説したのは「初級文法」です。
中上級者の方の悩みは
「ある程度日本語が話せるようになると、日本人が「この人は日本語が分かるんだ」と思われます。ですが、細かいニュアンスまで分からないし、自分の気持ちもきちんと伝えることはまだできません。それが間違って伝わってしまったら、、、と思うと、だんだん日本語を使うのが怖くなります。」
とのこと。
このお悩みは、たくさんの方から聞いてきました。
だから、
①基礎からもう一度教える
②使い方を教える
③でも、もし、その時正しく使える自信がまだ持てなかったら、こういう風にコミュニケーションを取って下さい。
と、③まで付け足して、コミュニケーションの問題が起こらないように、彼女が誤解されないように、悲しまないようにアドバイスをします。
ここまでが
「彼女のためを思うレッスン」
です。
初級文法に自信が持てる日本語教師の数を増やす、これも私のMissionだと感じています。
日本語教師の皆さん、文法は難しくないのですが、分かりやすく、楽しく頭に入れるのが難しい、、、という気持ちも充分分かります。
だから私なりに、参考書を作ったり、文法解説講座を作ったりしています。
このPさんのように、
「ある程度日本語が話せるようになると、日本人が「この人は日本語が分かるんだ」と思われます。ですが、細かいニュアンスまで分からないし、自分の気持ちもきちんと伝えることはまだできません。それが間違って伝わってしまったら、、、と思うと、だんだん日本語を使うのが怖くなります。」
という外国人の方が、一人でも減るように、是非、日本語教師の皆さん、初級文法を徹底的に頭に入れて下さい。
心から願っています。
もし、皆さんの手元に分かりやすい文法解説書がなかったら、このテキストも選択肢に入れて、是非、力を付けて下さい。