世界中の日本語教師の皆様のための 『授業に役立つ小さなアイデア集(37)_フリー会話レッスンでの達成感、どうする?①編』
今回は『授業に役立つ小さなアイデア集(37)_フリー会話レッスンでの達成感、どうする?①編』です。
少しでもお役に立てれば、と思います。
アイデアは2つあります。
今日は、その内の1つですが、
『ホワイトボードに書き込み』だけです^^
簡単です♬
<Step1:レッスンは、白い画面共有で!>
➡️テキストエディットでも、Wordでも、エクセルでも、なんでもOKです!
フリー会話のレッスンの流れや、その時々に書き込みたいことを、何でも書いていきます。例えば、こんな感じです。
これは、昨年10月21日のレッスンの、そのままのシートを切り取ったものです。
これは、「0初級の生徒さんとの3回目のレッスン(1回1時間)」+「文字がまだ読めない」+「速く会話が上手になりたい!」+「英語圏の生徒さん」+「30代半ばの男性」+「プライベートレッスン」という背景の生徒さんです。
だいたい、0初級の生徒さんには、こうやって「ホワイトボードのみ」でレッスンをします。
理由は、「日本語の0初級」=「全てが学びに繋がるので、何を教えても勉強になる^^」からです。
日本人同士の会話のように、
「初めまして」➡️「自己紹介」とか、「カナダは今何時ですか?」とか、できるだけ、ですが、自然な会話の流れに沿って、レッスンを進めます。
この使い方は、
①生徒が言った英語を、まず、書き留める。(まだまだ日本語が話せないレベルなので、よく英語が出る。その中から、「これ、今教えた方がいい!」と思ったものを、まずは本人の英語通りに書き留める)
*聞き取れなかった時などは、間違えても、なんとか書き込んで、
「この英語、OK??」
と、本人に確認してもらいます^^;
②①の翻訳を、ローマ字で、その下に書く。
③ローマ字を、まずは読んでもらう。
➡️ここは結構大切で、まず生徒に読んでもらうと、ぎこちないながらも、「日本人が聞いて伝わる日本語を、自分の口から発することができた!」という嬉しさと、小さな達成感を感じてもらうことができます。
④上の英文と、下の日本文が同じ意味であると認識する。つまり、まずは「語彙から」ではなく「文単位」で学ぶ、ということです。
⑤だいたいここで「なるほど〜」と納得するので、何度かリピートしてもらい、「What's your name?」が「おなまえは?」である、という、意味と日本語を知ってもらう。
*もちろん、「お名前は何ですか」とか、「失礼ですが、お名前はなんですか」とか、いろいろなパターンがあるかと思いますが、あまり制約がないのであれば、できるだけシンプルなものを先に教えて、追々、長いバージョン、難しいバージョンを教えるなどして、「基本」と「応用」を分けて考えています。できるだけシンプルに、簡単なものにすると、覚えやすいし使いやすいので、その場で「自分の物にする」ことができ、それが小さな達成感に繋がり、レッスンのモチベーションも、どんどん上がっていきます。
ここまでで、1セット?!の会話ができるようになりました!
⑥次に、このカラフルな感じ、わかりますか?今度は、細部に注目です^^
単語と単語を、同じ色で組み合わせていきます。
「I」=「Watashi」というように、ですね。
ここから「語彙の勉強」に入ります。
⑦組み合わせが終わったら、できるだけその場で覚えてもらいます。提示した語彙の量が多ければ、例えばその中の3つだけとか、5つだけ、として、その場で「時間制限1分!」などして、覚えてもらいます。少しでもその場で覚えてもらえると、「できた!」という小さな達成感を味わってもらうことができます。
⑧この流れが一通り終わったら、また次の会話の流れに戻ります。これを、何度か続けて、「フリー会話の流れを大切にして、その流れに沿って、文法や語彙を入れていく」というレッスンを続けます。
こうやって、小さな達成感をちりばめながらレッスンを楽しく、学びある内容で終えることができます。
途中、こんなページもあります。
私の英語もかなり曖昧なものがありますが(留学したとか、特別な英語学習経験がありませんので、と〜ってもサバイバルです^^;)でも、伝わります^^;これも、同じ日のシートの一部で、全く加工していません。
そして、レッスン後、です。
<Step2:レッスン後は、シートを送付!>
①レッスン後は、シートを、何のまとめもせずにこのまま送付、です。これを復習に使ってもらいます。理由は、自分が体験したレッスンの流れ通りに作られているので、「思い出しやすい」からです。つまり、1時間のレッスンを、もう一度自分でなぞることができる=再確認できる、からです。
②次回のレッスンは、同じシートの下にそのまま「続き」で書き込みます。だいたいですが、1〜2ヶ月くらいは同じシートの下に続けていく、という感じにしています。理由は、「復習しやすい」からです。
「じゃ、まず、前回の復習をしましょうね〜」
と、同じシートなので、そのまま上に上げて、適当なところで止めて、
「これ、なんでしたっけ?」
と、確認します。時には、1ヶ月前の部分に急に遡って復習をしたりします。
「定着」の一番シンプルで誰にでもできる活動は
「繰り返す機会を増やす」ことです。
その点においても、このシートは無敵です^^;
また、「英語力に自信がないから、、、」という方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、これは「完璧な英語力ありき!」の方法ではありません(まさに佐私がそうですから^^;)ので、「ご自分のできる範囲内で」また、それを補う「Google翻訳」や、「生徒に英語を書いてもらう」や、「通常の授業の中に、一部だけ取り入れる」や、「グループレッスンだけど、毎回生徒を変えて、少しずつ取り入れる」や、いろいろな「工夫」で、生かしていただける部分があるかと思います。
少しずつ、一部ずつ、一人ずつ、小さな単位から、チャレンジされてはどうでしょうか?!
次回は、「語彙リスト編」をアップしたいと思います!