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護られている証

50歳の誕生日、夢のなかで私は死にました。

腐り始めウジがわいている私の体に向かって、夫が物凄い怒りで罵り怒鳴り続けていました。
何を怒鳴っていたのかはわかりません。
しかし彼のその怒りは、今まで夫婦喧嘩で怒鳴りあってきた比にならないほど激しく、血走った目が恐ろしくてその姿に恐怖を覚えました。

最初、私は自分が死んでいることに気づきませんでした。
私に向かって怒り狂う夫の姿を何が起きているのか訳がわからないまま、横たわって見ていたのが最初の私の視点。
次に私の視点が夫の背中越しの視点へと変わり、ようやく私は自分が死んでいることに気がつきました。

私が死んでいるというのに夫は悲しむどころか、私に向かって罵声を浴びせ続けていました。

自分が醜く朽ちていく姿にショックを受けましたが、それよりも夫に対する罪悪感を強く感じました。
「どうして私はこの課題を解決できないまま死んでしまったの!?次の生で、またやり直すなんて絶対に嫌だ!彼をこのままにして死ぬわけにいかない!」

絶望感でいっぱいになり、
ダメだ!このままでは死ねない!嫌だ!!そう強く思った時、目が覚めました。

誕生日にその悪夢をみた2ヶ月前、私は満7年続けた飲食店を閉めていました。
コロナ禍の決断です。
お店は最初から最後までトラブル続きで、何もかもが大変でした。
一人で全てできると思っていた経営は3ヶ月も経たない内に無理であることがわかり、私は日本で会社勤めをしていた夫を呼び寄せました。
国立大学、大学院を出て、一流と言われる企業に勤めていた将来有望であった夫の人生はそこから激変。ケンカをするたびに、彼は自分の人生が変わってしまったことを私に詰りました。
私は、彼に対して感謝の気持ちよりも罪悪感の気持ちを強く持ったまま接するようになっていました。

お互いに思いやりの心が持てず、批難しあう日々が続き、関係はどんどん荒んでいきました。
普通に会話できている時のほうが稀なくらい。どちらかが常に不機嫌で、小さかった息子の情緒にも影響を及ぼし始めていました。
7年は長かった。
その間、私はすっかり精神世界と離れた生活をしていて、仕事でクタクタになって帰ったらお酒を飲み、ぼーっとしながらインターネットで動画を漁る日々。
このままでは本当に家族が崩壊してしまう。もううんざりだ。
そう思い、店を閉める決断をしました。
お店があり続ける以上、やりたくもない仕事を夫に課せることになる。
何事にも一生懸命で責任感を持って取り組む夫でしたが、毎日同じことの繰り返しである飲食店の仕事をさせるのは酷でしかなかった。
その経緯についてはまた機会があれば書こうと思います。

私は仕事さえやめれば、私たち夫婦の仲も改善していくのではないかと期待していました。しかし、問題はそこではありませんでした。
私は彼からの言動によって傷ついた心と、もともと持っていた自己批判、自己否定がさらに悪化しボロ雑巾のようになっていました。
1年ほど前から始めたSNSで自分を道化することで笑いをとって、なんとか均衡を保っていました。
妹が亡くなった時と同じです。
仲良くしなきゃと思っても彼の言葉ひとつで、過去に傷ついた時の、ネガティブなエネルギーが体のあちこちから湧いてでて、苦しくなります。
悲しみから怒りへと変化していくその物凄い大きなエネルギーが、私を愛から遠ざけていました。
こうなるともう私一人ではどうにもならないのはわかっていました。
霊能者のりかこちゃんにセッションしてもらい、天然石のブレスを作ってもらったり、シャーマンのヒーリングセッションを受けたり、ワークショップを受けたり、ご縁があったことはなんでもしてみました。

オーストラリアへ来てから、私はハイヤーセルフ、または護ってくれる存在とつながる体験を何度かしています。
困ったことがあると、助けて欲しい!と訴えることがよくあり、その度にメッセージを受け取ったりしていました。
しかしこの長い間に蓄積された負の感情だけはいつまでも私の中に燻り続けてなかなか消えてくれませんでした。

そして夫とはまだぎこちない関係のまま、誕生日を迎えました。
50歳、節目の年だと自分の中で強く変わりたい!と願っている自分がいました。
もう心底、うんざりしている自分がいました。
手放すワークショップをしても、なくならないこの負の感情をどうしたらいいのか、途方に暮れていました。
そんな状況の時、誕生日を迎えて見た夢、いいえ見させられた夢が
「私が死ぬ夢」
でした。

夢から覚めて、ぽろぽろと泣きました。
私が起き上がって泣いているのに気づいた夫が
「どうしたの」と聞きました。
私は今見たことを夫に伝えて、
「あなたがそんなに怒りの感情を持っているとは知らなかった。
本当にごめんなさい。」
そう謝りました。
夫は何も言わずに、また眠り始めました。
私は、ハイヤーセルフ、または私を護ってくれる存在に感謝しました。

そして、確信しました。
私は本当に護られている、ということを。
何があっても、必ず、いつも護られているということ。
その安心感を身体中で感じて、感謝の思いでいっぱいになりました。

その日を境に、私の中に潜むネガティブなエネルギーがクリアリングされました。
人間ですから、ムスッとしてしまうこともイラっとすることもあるのですが、今までは夫に対して腹がたったり悲しい気持ちになった時に、今感じている感情の他に過去に受けた感情が体のどこからか湧き上がってきていたものがすっかりなくなっているのに気がつきました。

あの何とも言えない、体を蝕んでいくような嫌なエネルギーがどこからも湧いてこないのです。
これには本当に本当に驚きました。
だって、生まれてこの方そんなエネルギーに触れたことがないと思うくらい綺麗さっぱり感じなくなっていたからです。

50歳になり、天然石にご縁することがさらに多くなり私は物凄い数の天然石と共に暮らすようになりました。
そしてたくさんのワークショップを受け、素晴らしいヒーラーさんと出会うことができ、たくさんのアクティベーションも受けました。
10年以上前に手にしたシンギングリン®️も復活しました。
今は、流れに身を任せて進んでいます。

この一件で、護られていることを更に信じることができるようになりました。
その存在を特定して何か、と言えることはできません。
ご先祖様なにか、ハイヤーセルフなのか、高次の存在なのか、宇宙なのか、
特定する必要もないと思っています。
ただ、私をとりまく全てのものに深い畏敬の念と感謝の気持ちを毎日送っています。