訪問リハビリは介護サービスの1/26でしかない
わたしが生活期リハビリテーションに10年以上たずさわり、気づいたことがあります。
それは、「リハビリのみでは何もできない」ということです。
わたしは自分のしごとはこれを選んでよかったと思ってます。だけど、好きであればあるほど「リハビリって重要」って思ってしまうんですよね。
どんな職業でも自分の業種は「必要」と判をおしたくなるものです。
ただ、この仕事もリハビリ療法士が増えてくるに伴って、残念なこともあります。強く競ってしまうんですよね。
ウチでリハビリやりませんか!?とっても良いですよ!自己実現をするために、リハビリサービスは欠かせないサービスです!
あそこのリハステーションさんは駄目。ここのリハビリステーションさんも無愛想。など
わたしは、しがないセラピストですが、「職場内のみならず、同業の評価を声高らかに叫ぶのは‥‥何を競ってるんだろ?」と違和感を感じることがあります。
いまこそ、リハビリ業界としてちからを合わせる時ではないでしょうか?
リハビリというサービスは介護サービスの中でもカケラでしかありません。
なぜかといえば、介護保険領域における全サービスって26分類もあるんですね。そう考えると、リハビリって介護サービスの中の「26ぶんの1」でしかないんですね。
公表されている介護サービスを列挙
厚生労働省 公表されている介護サービスを列挙します。
全部、しっかり読まなくてOKです。
1 介護サービス利用にかかる相談・ケアプランの作成
2 自宅で受けられる家事援助等のサービス
① 訪問介護(ホームヘルプ)
② 訪問入浴
③ 訪問看護
④ 訪問リハビリ
⑤ 夜間対応型訪問介護<定期巡回><随時対応>
⑥ 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
3 施設などに出かけて日帰りで行うサービス
⑦ 通所介護(デイ・サービス)
⑧ 通所リハビリ
⑨ 地域密着型通所介護
⑩ 療養通所介護
⑪ 認知症対応型通所介護
4 施設などで生活(宿泊)しながら、長時間または短時間受けられる
サービス
<短期間の宿泊>
⑫ 短期入所生活介護(ショートステイ)
⑬ 短期入所療養介護
<施設等での生活>
⑭ 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
⑮ 介護老人保険施設(老健)
⑯ 介護療養型医療施設
⑰ 特定施設入居者生活介護
(有料老人ホーム・経費老人ホームなど)
⑱ 介護医療院
⑲ 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
⑳ 地域密着型介護老人福祉施設入所生活介護
㉑ 地域密着型特定施設入居者生活介護
5 訪問・通所・宿泊を組み合わせてうけられるサービス
㉒ 小規模多機能型居宅介護
㉓ 看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)
6 福祉用具利用にかかるサービス
㉔ 福祉用具対処
㉕ 特定福祉用具販売
うぅぅむこんなにも、サービスがあるんですね。
話を戻し‥‥
これらの25のサービスを差し置いて、「リハビリつかって!特にうち!」
を強く打ち出すときに、それが1/26であることをご理解されているのか?と思ってしまうのです。
26のサービスは選択肢。
その選択肢の中で、ご利用者さんへ「何のサービスをご提案するのか?」をケアマネさんは汗を流して選んでおられます。
わたしが考えるのはリハビリは一つの選択肢として、であり、在宅生活におけるご利用者さん全体のバランスを崩すようなことが起こってはならないと感じています。
強く肩入れしてきた事業所・セラピストさんが果たして、家庭内バランスを崩れないように対処しながらサービスを提供できる!という自信は良い方向へ向かうのでしょうか?
以前にnoteで書きましたが、
特に、わたしが考えるリハビリは「機会であり、理解であり、期待」です。
そのサービスを使ったら「運動できますよ!」という程度のサービス提案ではリハビリテーションに未来は無い。と感じています。
リハビリに介入しても「デイサービスの方がこの方は良いな」だったり、家族が介護疲れしているから「ショートステイ使ってみてはいかがですか?」など、広い選択肢を考えながらご提案します。
要するに、「リハビリだけでは絶対に解決しない」問題があるからです。
そこを差し置いて「営業・リハビリいかがですかー?」は自欲に素直、相手に嫌悪をあたえることになるのではないでしょうか?
わたしはリハビリの徒手療法として有名な「ボバースコンセプト」で引用される好きなコトバがあります。
「患者さんを宝物のように扱いなさい」
わたしはこのコトバで、医療側のエゴではなく患者さんという宝をどうやって磨いていくのか?生活を豊かにしていくのか?
この部分をヴィジョン化し、提供できるのであれば、もっとリハビリテーションは可能性を広げられると信じています。
わたしが考えるのはリハビリ業界全体の活性化。
社会から「もとめられる業種」へと変換されている未来を夢みます。
なんてことない、一人のしがない理学療法士のたわごとでした。
※
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