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kokoro

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医療現場のリアルを公開。突然の事故や病気による障害、余命宣告をされた患者さんたちの言葉から教えられる人生や命についてを語っています。
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#病気

ありがとう、患者さん

また1人、患者さんがお亡くなりになられました。 初めて会った時は、リハビリは完全拒否で全くやってくれなかった方で非常に大変でした。 他愛のない雑談を繰り返す内にだんだんと打ち解けてきて、少しずつリハビリができるようになって、笑いが生まれるようになって・・・ でも、病気は治らない病気・・・どんどん身体状況は悪化していく・・・ 笑顔がみられない日も出てきて、だんだんとリハビリもできるような状態ではなくなって 私もお部屋にいくのが辛くなってきて、足が重くなることもありまし

「本当に幸せだったのか」に気づくとき

亡くなる直前の患者さんが言っていたのを思い出した 「最期の最期で幸せな人生だったかどうかがようやくわかった」 「俺はどうやら幸せだったみたいだ」 「今になって色んなことを思い出すよ」 「若気のいたり、妻との出会い、子供たちの誕生と成長」 「こんなにたくさんの思い出があったんだな」 「◯◯くん(私のこと)、俺はもうすぐ逝くんだろ、なんとなく分かるよ」 「俺はどうやら幸せだったみたいだ。今まで逝くのが怖かったけど、 これでやっと逝ける気がするよ。幸せだったことに気づ

だから私は病院で賢明に働く

私が病院で働く理由 死は誰もが最も怖いものだと思っていた 死よりも怖いものがあるのか 誰かが誰かを傷つけ、殺し 自分で自分の命を終わらせる 人はこんなことをするために 命をつないできたんじゃない このような悲しみ、苦しみの連鎖を続けさせない 明日を臨む人たちの力になりたい だから私は今日も病院で賢明に働く 思いも寄らない人生の大転換となる 突然の事故や病気 日々の当たり前が瞬時にして崩れる瞬間 生きていた時間は決して当たり前に存在しているものではなかったと 気づ

みんな、いつからそんな風になった

いつからみんな、そんな風になった 今この時も私が勤務する病院では、病気と真剣に闘っている患者さんがたくさんいます。 産まれつき心臓の病気を抱えた0歳の子供 30歳代、仕事も子育てもこれからという時に、がん発病 一生治らない難病と診断された40歳代の働き盛り 例をあげればきりがないくらい、たくさんの人が今も自分の命や人生、そして家族とのことについて真剣に向き合っています。 ちょっとした嫉妬心や恨み、妬みなどが原因で殺人事件が起こっています。家族内で、無差別で。 自

ある患者さんの一言「私が病気でよかった」

医療現場には多くの患者さんが入院をしてきます。 スポーツで怪我をした人 事故をした人 病気になった人 そのほとんどの人がリハビリが必要となります。 何百人と患者さんと出会ってきましたが、今回はその中の1人の患者さんとのエピソードを紹介したいと思います。 ある患者さんの「私が病気でよかった」の一言その女性はもう半年以上も病気と闘うために入院をしていました。 体調もよくない日々が続き、起き上がることすら出来ない日も多くあるような方です。 私も病気や治療のことについ