かわいらしい電話 〜介護と癒し〜
夜中2時。
いきなり電話が鳴り、夢から目覚めて飛び起きました。
こんな時間に電話をかけてくるのは、施設にいる母。
私「どうしたん? 今昼間と違うよ。夜の2時よ。」
母「気になることがあんねん。○○(妹の名前)が宿題ができへんかったらしくて・・。ガスボンベに関することやねんけど」
私「(妹は社会人だし、、ガスボンベって何?!と思いつつ)うん、うん」
母「宿題ができひんかったから、今、天井にいるねん」
私「(へっ?!)」
夜中の2時にたたき起こされ、この摩訶不思議な話。
母「ママは、動かれへんのに、(妹が)ベッドの上に落ちてきたら困るやん!(怒)」
私「(あんなに娘の心配一筋だった母が、妹が天井にいることではなく、、落ちてきた時の自分の身の心配?!)」
目がばっちり覚めていても、比較的、柔軟性が求められるところですが、絶賛…眠気まなこの私。
とにかく、全否定はなし!
私「○○(妹の名前)は、もう社会人やし、宿題はないと思うよ。それは、多分、夢の中で見たことじゃないかな〜?」
母「(無言)」
私「○○(妹の名前)は、人間やし、天井におることはできひんと思うよ。」
母「(無言)」
私「それに、天井におったとしても・・」
母「天井におったじゃないねん。今、天井にいるねん!」
(なんと!夜中の2時に時制の不一致に気づくとは!)
私「そうやんね。。今天井にいるよね。でも、絶対落ちてくることないから。保証するから!」
母の翌日の反応・・・
目が覚めて、「昨日のあの電話は夢??」と思いつつ、母が私に、一生懸命話してくれた摩訶不思議な話を反芻しながら、「くすっ」と笑ってしまいました。
午後3時ごろ、母が電話をかけてきてくれたので、昨日のことを確認しました。
私「昨日、夜中の2時にたたき起こしたん覚えてる??」
母「(しかとしつつ)なんとなく」
私「○○(妹の名前)がベッドに落ちてくること心配してたけど、落ちてきたわけ?」
母「だって賢いもん! でも、あの後、べランドをちょんちょんしてた。」
私「自分が賢いから、ベッドには落ちてこなかったと言ってるん?(笑)」
かわいらしいから、オールOK!
母の話は、常識的なスタンスで聞けば、幻視になるのだと思います。
そして、夢の世界と現実も、どちらもリアルに感じるので、区別もつきにくいのでしょう。
しかし、そんな説明をしたところで、母には意味をなしません。
娘の私の選択としては・・・
☆話してくれる内容に関して、「そんなことあるわけない!」というのではなく、まずは聞くこと。
「そうなんだね」
☆どう表現すれば、母に受け取ってもらいやすいかを感じ取ること。
☆自分自身の内面の揺れを感じながらも、ニュートラルに、今の母の状態を理解すること
そして、真夜中の電話で、、
その時、「”何かをしよう、しよう”としていなかった」自分に気づかされます。
なぜなら、眠気全開だったので(笑)
母を「安心させよう」「早くこの話を終わらせられないか・・」なんて、、私の”エゴ”の働きが活発になればなるほど、母はそのような心の動きに敏感です。
でも、起きたて私は、エゴも眠っているが故に、「素のまま」で母と接していた。
改めて、この大切さを教えてもらったように感じます。
そして、真夜中に一生懸命、私に訴えてくれていた母の姿を想像しながら、あまりにもかわいらしくて、また「くすっ」と笑顔になってしまいました。
#介護 #介助 #家族 #癒し #感情 #コミュニケーション #母
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