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新人教育:座学という虚空の学習。
自己紹介はこちら
新人が新人を教えることに異議があがる
新人社員の研修発表会がありました。
この新人教育は今回、入社1年目の社員に進行してもらいました。
ただ、古参社員の中に
「新人が新人を教えるのは如何なものか?」
と仰る方も居たようですが、私は全くそのようには思いません。
じゃあ、いつになったら教えて良いんだよ(あぁコラ)
他人に教えるという事を、早く出来るようになって悪いことなど何も無いのです。
新入社員に出された課題は
「社内の社員とその仕事を調査してまとめる」というものです。
この課題は社内完結、直接の利害から遠く、入社して数ヶ月の社員の知識でも賄え、新人がオペレーションするのに丁度良いのです。
(課題の効能などについては、良ければまた別の機会に書かせてください。)
座学という虚空の学習
この新人研修発表があった際に
教育を担当したA君から、私に対して次の意見がありました。
「もっと体系立てた、教育カリキュラムや座学を整理してはどうか?」
という意見でした。
その姿勢、素晴らしい。
私がその域に達したのは20代の後半・・・
私は
「確かにね。」
と低い声で同調しましたが、
その後、このように返しました。
「知識だけ身につけても
あんまり意味ないんだよね。
だって君も、新人研修で勉強した内容
もう覚えてないっしょ?」
彼は「ぐむむ」と口を黙ました。なんかごめん。
彼の入社時はまだ、今後役に立ちそうな業務知識を体系化した座学を研修内容に入れていました。(計画したのは私)
ところがその知識は、すっかり流れ落ちてしまっているのです。
そのお勉強は、何のために?
少し前まで学生だった新卒の子は特に、学習に対してのスタイルが「受験勉強」であって「その時、知識を覚えて目の前の課題をクリアする」という受験勉強スタイルから抜け出せてないと感じることがあります。
指示されたことは「はいわかりました!」と好スタートを切り「出来ました!」と意気揚々と報告し、「結構難しかったですね・・」と殊勝な雰囲気で伸び代を見せつつ、終わる。
でも、その知識がどこで活かされるのか?みたいなことには、当然考えが及ばないわけですね。
知識と実践の両輪を回す場を作る
新人は研修課題に加えて「電話対応」を早めに開始するようにしています。電話機の操作を覚えて「まずは、電話に出てみよう」という感じです。
たかが電話対応と思うなかれ。
慣れるまで、新人には相応の負荷になります。お客様もその内容も多岐にわたります。
この対応の中で成長し、業務内容や業界用語、「この問い合わせは〇〇さんが詳しい」などの振り分けなど、体験を経て知識を学び、その知識を電話対応の中で活用することで、本当の意味で「知識が身に付く」様でした。
つまり「知識は実践との両輪が必要」なわけです。
必要なのは、「知識を得たら、それを活用する場」なのです。
冒頭の「新人に新人の教育をさせる」というのも、教える側の新人にとって、「知っている知識を使う実践の場」となるわけです。これを逃がす手はありません。
必要なことは、この様な「知識と実践」を回せる場をいかに用意するかで、新人の即戦力化は、大きく変わってくると思います。
とはいえ、実践があまりにもハードモードだとリスクが高まり、お互いに疲弊してしまいます。
例えば、「自分の業務を慣れるまでやらせてみよう」というのは一種の「丸投げ」になってしまい、大怪我の元にもなります。
知識と実践は"両輪”であって、両方の車輪のバランスが重要です。これに加えて、段階の設定も必要になります。あまりに段階を飛ばすと、途中で挫折してしまうからです。
場の構成には、これらを意識して設計することが必要となります。
うーん、考え出すと難しいですよね。
まずは小さく「実践の場」を生み出す
そんなに大袈裟な事を考えなくても良いんです。
「普段やっている仕事」から、軽いものを”切り取って”新人に任せてみることです。
どんなことでもいい、書類のコピーやメール本文作成、なんでもいいです。細々として継続的に起こる作業を切り取って、新人に任せてみましょう。
その実践に「目的」を付け足す
実践の場を考えたら「その実践の場で身につけて欲しいこと(目的)」を考えて、しっかり伝えましょう。
例えは、電話対応だったら
・どんなお客様がいるのか知って欲しい
・知らない用語があったら調べてみて欲しい
・お客様の業務をイメージして欲しい
・社員がどの様に対処するのか見て欲しい
・社員の対処を盗んで、自分でできる様になって欲しい
という感じです。
どんなに細々とした仕事でも、慣れた人は埋没して意識しないだけで、必ず目的や意義が存在します。掘り起こしましょう!
さらに少し大きなタスクへ
実践の場を経て、滞りなくできる様になったら、次の少し大きなタスクを任せてみましょう。
電話対応だったら、トラブル解決までを自分でやらせてみるのも良いでしょう。出来る領域を少しずつ広げてあげるのです。
読んでいただきありがとうございます。
新人教育をしている皆様!ともに頑張りましょう!
では!