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とある閉業したお店の思い出

先日のできごと

買い物を友人としていた時のできごと
クラチカ京都店こと
KURA CHIKA by PORTERの京都店が
閉店していたことを知りました。

京都在住の方ならよくご存知の百貨店
藤井大丸の6階にある鞄屋さんです。
ポーター(PORTER)のブランド名で知られる
吉田カバンさんの鞄を中心に取り扱うお店でした。

不景気の影響か
ポーターの商品も全体的値上げされていたし…
全体的に客足も少ない印象もあったので
閉店も仕方ないのかもしれません。

大阪駅のショッピングモールにあるPORTERの店舗は
正直、店の雰囲気や客層がとても苦手なので
それもあって、ゆっくる鞄を見ることができる
京都店の閉店が残念です。



この鞄メーカーの鞄は、
作りに一切の妥協がなくて
私が大好なものの1つです。

好きが過ぎて
PORTERの鞄を必要以上に集めてしまっています。
友人曰く異常であり、少し反省しています。

PORTERのレジャーシート
もはや鞄とは関わりのないものまでPORTERに…


近いうちに、この鞄たちのことも
お話できればと思います。


思い返すと、クラチカ京都店は、
自分にとって思い出深いお店で
閉店したお店を見た時には
素直に寂しく感じました。

少しだけ
思うところを綴りたいと思います。

もう10年前以上のこと
大学生1年生の時
尊敬していた先輩に連れられて
初めてお店に立ち寄ったことを今でも覚えています。

明るい店内に陳列された数々の鞄と小物類。

高校生に毛が生えたほどの当時の自分
鞄を買うための予算なんて
リュックサックでもせいぜいが5000円から10000円。

価格に驚いたのも覚えているけれど
特に驚いたのは、1つ1つの鞄の出来栄え。
当時はデザインはまだ派手なものが少なくて、
フリースタイルと呼ばれるシリーズや
有名なTANKERシリーズがお店の代表作として並べられていました。
ファッションの右も左もわからない自分には
まだデザインに惹かれることはなかったのですが、
それでも、1つ1つの鞄が丁寧に作られているのが
見る目のない自分にも ひしひしと伝わって来ました。

ディテールに注目すると
それこそ職人が丹念に仕上げていることが明らかで
後々になって本や雑誌で知識として色々なことを知るのだけど、

何も知らずに初めて見た時に
「丁寧に作られている」
と、鞄が自ら主張しているようで、そのことがとても印象的でした。
この「分からない人」まで「分からせる」まで
高められた品質というのは、本当に驚くべきことだと思います。

今になって思うと、実はこれ、お店の商品の陳列にも
光るものがあったからなのだと思います。
店内に入った人が
「たくさんの鞄」を雑に見渡すのではなく
「1つ1つ」に目がいくよう
丁寧に置かれていたのだと思います。

お店で初めて買ったのは、PORTERのTANKERシリーズのキーケース。
鞄にまだ20000円を出す勇気がなかったのが、
正直な理由です。

ただ、
このキーケース、あまりにも物持ちが良くて
原付バイクの鍵につけて毎日ハードに使っても衰えを見せない。
ほつれの1つも見せない。
自分がなくしてしまうまで
3年以上の間、現役を貫いてくれました
(最後はなくしてしまって、ごめんなさい)。

圧倒的な物持ちの良さと
使いやすいデザインが相まって
今では、リュックサックやトートバッグ、ヘルメットバッグ
さらには細々とした小物類にいたるまで
自分の生活に欠かせないものになっているけれども

ポーターへの絶対的な信頼が芽生えたのは、
まさにこのキーケースのお陰だったのだと思います。

その後も
別のお店で買ったPORTERの鞄の修理対応をして頂いたこと
友人のお店での買い物に付き合ったこと
プレゼントを購入したこと、

色々とお世話になったことを
今になって思い出して

「もうなくなっちゃったんだ」と
しんみりした気持ちになりました。

それでも、
自分にはまだちゃんと手元に
PORTERの鞄たちが残っているわけで

そういう意味では
お世話になったことは
これからも忘れないのだろう
そう思うと、
少しだけ寂しさが和らいだ気持ちになりました。

長い間、ありがとうございました。


ただの感想文でした。
駄文、失礼いたしました。

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