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【SI企業で10年間】理系学部卒の就活戦略と答え合わせ

はじめに

転職活動をきっかけにこれまでのキャリアを振り返った。レジュメに書けない思いも含めて、ざっと書き残してみようと思う。就活の軸や当時の戦略は過去記事の通り。

ざっくり自己紹介

2010年代中盤に理系学部を卒業し、新卒で日系SI企業に入社。そのまま10年ほど在籍し、いまに至る。

10年前の目論見とその評価

大学時代の就活の軸、それぞれを10点満点で評価。10点が文句なしに達成、0点が未達成だったものだ。

1. 経済的な優位性:7点

SI企業は世間一般的に見れば金払いは良い。IT業界の平均年収は高く、いわゆるJTCなので福利厚生も申し分ない。

お金が無くて欲しいものを我慢したことはない。車は必要性を感じないので買わないが、買うとなればそれなりにこだわって買えるだろう、そんなくらいだ。

入社4年目あたりまでは給与の上がり幅がやや緩やかだったことと、役職がつかないと天井が見えているので7点とした。ある程度は満足しているが、文句なしとは言えない。特に若手時代の労働時間に対して妥当かと言われると疑問は残る。

2. 転職市場における価値、優位性が見込まれること:6点

書類で落ちることはほぼない。これはSI企業出身だからでもなく、PMだからでもなく、大手企業で10年勤務した人間だからだと推測している。自社にキャリア採用で入社してくる人も大手企業の出身がほとんど。
一方で、無双できるわけではない。キャリア採用では実績や職歴もきちんと見られるので当然といえば当然か。

職種の観点では、プロジェクトマネジメントに実績ありと評価をもらえる一方で、ビジネス企画職では苦戦する印象。ビジネス開発やコンサルに近い経験か、よほどの熱量がないと厳しい。実際のところ、SI企業が採用活動で謳っているようなビジネス開発の経験はよほど運が良くないと積めない。その点は期待ハズレだった。

転職活動を始める時期がもう2〜3年前だったら、もう少し満足度は高かったと思う。ビジネス企画職でもポテンシャル採用の見込みがあったからだ。

3. ITに関連した専門性の開拓や経験が積めること:6点

一次請けのSI企業のほとんどはPM業に徹することになる。世間一般の人からすればITの知識はあるが、それだけで飯が食えるかというと微妙だ。いま振り返ってみると入社前の期待が大きすぎたと言えるが、あまりに技術的な専門性を必要とされず、経験も積めない状況は少し不安。。。

4. 日本以外で働くチャンスがあること:7点

これは約2年間の海外駐在ができたのでよしとする。にも関わらず少し辛口なのは、その後の継続したチャンスがないからだ。日系SI企業はで海外IT企業と直接対決すれば負けは見えているので、他業界の日系企業の海外進出にくっついていく。そのため、SI企業の海外支店は調査部門など非常に限られたものになり狭き門になる。

日系SI企業はどこも同じだと思うけど、海外人材の活用の場がない。海外志向のある人は外資ITや他業界に流出する。
M&Aで海外売上比率を増やしているが、業務でほとんど接点はない。相乗効果もほぼないと思う。だって接点ないし。

5.実はこれと言ってやりたいことがない:4点

これはSI企業に身を置いたらどうにかなる話でもないが、やりたいことは見つかっていない。様々な業界の仕事をして、良い面も悪い面も広く浅く知った気がする。自分が行きたくない業界や職種、会社を見極めることができたが、情熱を注げるものが見つかる気配はない。

想定外の良かったこと

思ったより早く海外経験ができた

想定していたよりかなり早く駐在のチャンスがあった。これに関してはたまたま運が良かったので再現性はない。エンジニアやPMとしては経験不足が否めなかったが、言語習得は早いに越したことはないし、良かったと思う。

IT業界を志望する留学経験者は、新卒で外資系ITに就職する人が多い。日系企業に入社して海外駐在のチャンスを狙うのは結果的に正解だった気はする。なにせ早めに経験できたのはありがたい。これがなかったらもう在籍していないかも笑

想定外の悪かったこと

労働時間が長い。思った以上に長い。

入社前から覚悟していたが、想定を超える場面は何度かあった。就活のOB訪問では「忙しい時とそうでもない時で”波”があるよ」と聞いていたが、いまだに高い波しか来ない。

一次請けのSI企業はプロジェクトの責任を負うし、障害が出たら真っ先に糾弾される。そうなれば地獄。だからこそそれなりに高給であるとも言える。

思ったよりTHE日本企業的な社風

自由闊達、風通しが良い、技術ドリブンな雰囲気を感じていたが意外とそうでもない。これぞサラリーマンだな、非効率だなと思うことは想像したより多い。

まとめ

50点中30点の6割だった。ぼちぼちってとこですか。細かい不満をあげればきりはないが、当初の目論見が大外れで泣ける、、、というレベルではないので良かった。ただ、今後も末永くこの会社にいたいとは思わない。

転職するにあたって、もっとも後ろ髪を引かれるのは「経済的な優位性」だ。そこそこ高給を捨ててまで、やりたいことや大事なものは見つかっていない。横ばいを提示してくれるところも多いが、福利厚生などを加味すると多少の手取り減は覚悟しなければいけない。
同業のSI企業であればそれ以上を出してくれるところはあるが、転職したい理由の根本的な解決にはならないと考えている。

収入の観点でも、ポテンシャルで挑戦できる職種が多かったという観点でも、もう少し早く転職活動に取り組んでいたら、と少し後悔している。

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