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夫人が語る横溝正史

Bから始まる中古書店にふらりと立ち寄り『想い出の作家たち』(文春文庫)を見つけた。

作家の日常を妻や子が語るというもので、そのなかに横溝正史や乱歩もあったので入手した。
横溝正史の項は孝子夫人が語っている。 

さすがに、博文館の先輩の森下雨村さんが見るにみかねて、「小日向台町の二軒長屋の一つが空いているから」と借りて下すって、やっとそこに落着いたようなわけです。

『想い出の作家たち』文春文庫 p204

小日向台町…
最近聞いたことあるなと記憶をたどれば、MM PROJECTさんの「動画公開!【ヨコブン紀行】旧小石川区編」で出てきたのだった。

動画の中で、横溝先生が暮らしていたまちと触れていたけど、それは新婚時代のことだったのか。
そのうち、義弟と義父を呼び寄せて長女も生まれて、手狭になったから引っ越したという。

そのほか、献身的な支えをする夫人の苦労がたくさん語られて読み応えがあった。
生活に困って手助けしてくれるのは、作家仲間と親族、よくしてくれるご近所さん。横溝一家は、周りの人に恵まれていたようだ。
つい最近、『別冊太陽 横溝正史』を買ったのでそれと並行しながら読むのも良いだろう。

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