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【海外のストック・オプション】 海外企業の発行実例② 給与課税されないタイプ(ISO)
こんにちは、大門(だいもん)です。
今回も、海外(米国)のストック・オプションについて、取り扱っていきたいと思います。基本的なコンセプトは、日本と変わりませんが、適格要件などの扱いがかなり異なりますので、行使実例と合わせて、まとめていきたいと思います。
※情報が古い、または一部誤りのある可能性がありますので、参考程度に見て頂けますと幸いです。
米国のストック・オプションは2種類(再掲)
米国のストック・オプションは、大きく分けてNSO(Non-qualified Stock Option)とISO(Incentive Stock Option)の2種類があります。
大まかに申しますと、NSOは日本の税制非適格と同じように、給与課税がされるタイプで、ISOは日本の税制適格と同じように、給与課税がされないタイプです。
NSOは、日本でいう適格要件を1つでも満たさない場合に、該当するストック・オプションになりますので、発行会社側からしますと、かなり自由度の高い設計が可能です。
ISOの適格要件は日本と違う!
基本的な概念は日本と近いですが、ISOの適格要件は、日本の税制適格とは大きく異なります。
1. ストック・オプションの付与から2年超経過していること
2. 権利行使(株式取得)から1年超経過していること
上記2点の要件を満たすことが、適格要件となります。日本のように、付与対象者などの制限はありません。
そのため、日本と異なり、発行価額の支払いの代わりに税制上のメリットを受けられる有償ストック・オプションが一般化していない、という点が特筆して挙げられます。
上記2点さえ守っていれば、税制上のメリットを受けられるのであれば、わざわざオプション・バリューを払い込むメリットがない、ということが背景になります。
2018年4月の会計基準変更で、有償ストック・オプションの費用計上が必要になった理由には、IFRSに合わせることも根拠として上げられていますが、そもそも有償ストック・オプションが一般化していない海外とでは前提が異なり、かつ、ストック・オプションの使い勝手が大幅に制限されることからも、かなり議論になったことは記憶に新しいところと存じます。
(ちなみにIFRSの場合は、上場・未上場問わず、ストック・オプションの費用計上が必要になります。)
発行会社側のデメリット:損金算入できない
発行会社側にとって、ISOは損金算入できない、というデメリットがあります。
損金算入できない、ということは見た目の利益(営業利益)だけが目減りするにも関わらず、節税効果を発揮しないため、税金が減りません。
これは日本も同様で、税制適格は損金不算入、税制非適格は損金算入、となっていることから、米国の制度が参照されていることが見て取れます。
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