【有償ストック・オプション】 上場企業の実務⑤ Webに載ってない実務!?財務局編
こんにちは、大門(だいもん)です。
今回は、えらくマニアックな範囲なので、ご興味のない方は、このままブラウザをそっと閉じて頂いて構いません。上場企業が有償ストック・オプションを発行する際の財務局への届出資料について、扱っていきたいと思います。
そもそも財務局には何を出すの?
上場企業の経営企画室の方でないとなかなか触れる論点ではないと思いますが、有償ストック・オプションを発行する際、財務局には3つの種類のいずれかの書類を出す必要があります。
①臨時報告書:金融商品取引法第24条の5第4項、開示府令第19条第2項第2号の2(3つの中で最も簡便な書類)
②有価証券通知書:金融商品取引法第4条第1項(①と②の中間)
③有価証券届出書:金融商品取引法第4条第6項、開示府令第4条(3つの中で最も複雑な書類)
それぞれの場合分けは?
ではどの要件で何を出せばいいのか、という論点が出ますが、これまた極めて複雑です。
上記の図のように分岐するのですが、社内の定義には、完全子会社や完全孫会社も含まれます。
仮に間違った書類を提出した場合には、財務局から受理されず、有償ストック・オプションにかかる届出の起算日がズレるため、適時開示を出し直す必要が出ます。
イレギュラーケースへの対応
付与対象者に、完全子会社以外の役職員や、弁護士等の外部協力者が含まれる場合には、臨時報告書ではなく、有価証券届出書または有価証券通知書の提出が必要となる可能性があるため、実際の提出の際には注意しましょう。
なお、発行総額の1億円は、直近1年間での合計金額を指している(通算規定)ため、有価証券届出書の提出を回避するために、前回のストック・オプション等の発行から1年以上空けて発行する、ということも実務上取り得る手段となります。
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