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お地蔵さまと御神木と神様のストーリー。

さくじつのブログでは、先日購入いたしました
宮﨑駿さん監督映画作品集より、今回は
『となりのトトロ』を観まして、そしてその
感想のようなものを記したつづきとして申しあげます。

そのブログのなかでね、ぼくは
『トトロ』のいちばん好きなシーンとして、
突然大雨が降ってきたある日、傘を持って出かけなかった
父を迎えにゆくために、サツキとメイが
父の傘を手にバス停で待つ場面を挙げまして。
このバス停の場所では、サツキがトトロと出合い、
雨にぬれるトトロを気づかうサツキは、父の傘を
トトロに貸してあげるも、トトロはそれを
「貸与」だと思わず「贈与」と考え、
傘を持って行ってしまい、しかし、そのお礼として
二人にどんぐりの包みを渡した。
このかんちがい的なやりとりより、
その後、物語は大きく展開してゆく。
そして、このシーンとは、そのすこしまえに、
サツキの同級生の男子・カンタが
大雨の中で歩いていると、お地蔵さまの小屋で
雨宿りをしていたサツキとメイに出くわして、
カンタはさしていた傘を二人に渡す、
という場面が引き金になっていたのではないか?
とも思ったんだった。

つまり、サツキがトトロに傘を渡したのは
カンタからの恩に対する「恩送り」のようなことを行い、
逆を言えば、サツキはカンタより傘を渡されたからこそ
この行動を思いつけたやもしらない。

‥‥ってゆうのを考えながらさらに思うのはね、
これらのことももろもろ、サツキとメイが
お地蔵さまの小屋で雨宿りをする際に、サツキは
【お地蔵さま、ちょっと雨宿りさせてください。】
と言いながら手を合わせると、メイもまた
サツキに倣い手を合わせた、というような、
二人がお地蔵さまに手を合わせて祈ったことより訪れた、
というふうにも解釈できるやもしれないなあ。
そして、そこに傘をさしたカンタが現れた。

さらにこのことはまた、メイが
はじめてトトロと出合った直後に
父とメイとサツキの三人で、森にある
御神木のクスノキを訪れ、このクスノキに対して
【メイがお世話になりました。
 これからもよろしくお願いいたします!】
と父が言うと、サツキとメイもそれに倣って
【お願いいたします!!】
って、三人でお礼を言ったことより始まったやもしらない。

つまり、お地蔵さまや御神木へと
丁寧にお祈りをすることによって、
物語が動いた、と言うかのごとく。

そういえば、物語の終盤、
メイが迷子になり、歩き疲れて
一人で泣きながら座っていた場所もまた、
六地蔵のお地蔵さまのふもとだったなあー。

六地蔵のお地蔵さまのところは、もしかしたら
少しばかりさみしさもまぎれたやもしらないし、
また、この場所に居れば、以前、お地蔵さまの前で
カンタが傘を渡してくれたみたいにして、
助けてくれる人が現れるやもしらない、
と、メイが思ったのかもしれない。
そう考えると、ちょっと
泣けてきちゃうんだけれども。。。
そしてさらにはさ、サツキが
トトロと出合ったバス停もまた、
「稲荷前」という名称で、つまり、
お稲荷さまの神社のある場所なのだから。

ともすれば、
お地蔵さま、御神木、お稲荷さま、そして
サツキとメイのお父さんは「トトロ」のことを
「森の主」と呼んでいたけれども、つまり、
そのようなトトロもまた「神様」であり、
つまり、『となりのトトロ』とは
神様のストーリーなのだなあ、と思うのよね。

ぼく自身もまた、ぼくの住む近所の公園には
お地蔵さまがおられて、この公園はかつて
「沼」だったとされていて、その関係で
お地蔵さまが祀られていると存じているですが。
つまりはさ、このお地蔵さまが
ぼくの暮らす地域を見守ってくださっている。

最近は忙しさにかまけて、なかなか
お地蔵さまにごあいさつできてなかったけど、
そんなことを思ったさくじつの夕方ごろ、
ひさしぶりに手を合わせにゆきました。

令和6年7月27日