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信と、言と、針と、入れ墨と。

このごろのブログでは、「信じる」のこと、つまり、
「信用」や「信頼」というのは、
どういうことなのか? って、
じぶんなりに考えていたのですが。
思えば、この【信】という漢字って
「にんべん」に「言」の組み合わせ、つまり、
「人」が「言う」という形なんだなあ、
と思って、ある意味、わかる気もするなあ、
みたいなふうにも思ったんだった。

と考えるとするとここで気になってくるのはね、
【信】という字形の語源なのでして。
ならば、漢字と言えば、白川静先生の
『常用字解[第二版]』で調べてみると、やはり、
【人】と【言】を組み合わせた会意文字である、
と書かれておりました。

白川先生の『常用字解』によれば、
【言】とは、神への祈りの文である
祝詞のりとを入れる器(口/さい)の上に、
刑罰として加える入れ墨用の大きな針を置き、
神に誓いをたてることばのことであり、
そして、神に誓いをたてた上で
人との間に約束したことを【信】という、それで
「まこと、まことにする」の意味に用い、また、
じん】と通用して「たより、つかい」の意味にも用いる、
とのことなのでした。

まずはさ、【言】という字における数本の横棒は
「大きな針」の形であり、その針とは
刑罰として加える「入れ墨」用の針なのだった、
というのは驚きだなあ。さらにね、
【言】の項目のページのほうでも語源を調べてみると、
【言】とは、古い字形としては
しん】と【口】とを組み合わせた形であり、
【辛】は刑罰として入れ墨をするときに使う
把手とってのついた大きな針の形であり、
祝詞を入れる器(口/さい)の上に【辛】を置き、
もし制約を守らないときには、この針で
入れ墨の刑罰を受けます、というようにして、
神に誓いをたてて祈ることばを【言】という。

そう考えるとするとね、
【言】う、及び、【信】じる、って、これまでも
重い行為だなあとは思ってはいたけれども、
そのさらに何十倍も重たいかのごとく、
非常に重要な行いなのだったんだなあ、
って感じてきた。

誓いと、制約と、刑罰と、針と、入れ墨と、
というのを思いながら、
【言】ったり、【信】じたり、できるか?!

ぼく自身は、なかなか
そんなふうには思えなかったとしても、
でも、そういうふうに思いながら、
【言】ったり、【信】じたり、できたら。。。

令和7年1月14日