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「馴染む」と「馴染まない」との境界線。
ぼくは音楽を聴くのが好きなのですが、たとえば、
大好きなバンド及びミュージシャンさんが
新曲をリリースされて聴く、とか、
友人やお知り合いの方から音楽を
紹介されて聴く、とか、もしくは、
これまで聴いたことない曲を聴いてみる、とか、
というようなときって、うーん、
なんだかよくわからないかもぉ?!
って感じることがある。
このことを考えながら、ぼくが
いちばん思い出すのはね、2008年リリースの
奥田民生さんのソロオリジナルアルバム
『Fantastic OT9』をCD購入して初めて聴いたとき、
よくわからないかもぉ、と感じてしまったんだった。
あのとき、なぜ、そのように感じたのか?
というのは、今でも、よくわからないと言えば
よくわからないけれども、でも、
民生さんの音楽と言えば、これまでの
アルバム作品ではゆったりほのぼの、なおかつ、
どこかおもしろいロックの音楽、というイメージがあって。
その印象がさ、でも、この
『Fantastic OT9』というアルバムでは、
どちらかと言うと、切実で、緊張感があって、
ソリッドでもあり、ヘビーでもあり、かつ、
ファンタスティックなきらびやかさも感じられて、
もしかしたら、今までの民生さんの音楽とは
一線を画す、と申しますか、つまり、それまでとは
音楽的なジャンルがすこしちがったのかもしれない。
ぼくは奥田民生さんの音楽が大好きなのですが、
その雰囲気のちがいに、アルバムを聴きながら
戸惑いを思ったやもしらないなあー。
その後、でも、このアルバムを
何度も何度も聴いてゆくなかで、はたまた、
アルバムリリースツアーのライブを訪れるなかで、
だんだんと大好きになってきて、そして、
大切なアルバムのひとつになりました。
そういうようなことってば、
ぼくはこれまで、いろいろ
たくさんあったともぞんじますが。
それもこれも、思えば、昨日のブログで申しあげました
書籍『日本の最終講義』(KADOKAWA)にて、
精神医学者・土居健郎さんの最終講義
【人間理解の方法 ——「わかる」と「わからない」】
の中で、土居先生がおっしゃっていた
「『馴染みがある』と『わかる』は、
だいたいイコールなのではないか。」
ということなのではないか? って思ったんだった。
つまりはさ、
「よくわからない」と思うときには、その
内容自体を理解できないのではなくって、
じぶん自身との接点の位置が遠くって、
馴染みが無いから、取っ掛かりも見つからなくて
つかみがたい。だからこそ、
よくわからないかもぉ、と思ってしまう。
それは、でも、音楽だけに限らず、
映画でも、漫画でも、小説でも、文章でも、美術でも、
どんな物事でもそうなのやもしらないな。
ならば、そのような
「馴染む」と「馴染まない」との
境界線はどこかなあ? とも考えつつ。
そして、逆にね、
すんなりと馴染んだ物事よりも、
なかなか馴染めずに、でも
だんだんと好きになった物事のほうが、
ずっとずっとつよく好きに思える、
みたいなこともあるような気がしている。。。
そんなことを思っていたら、
なんだか、ひさしぶりに
『Fantastic OT9』を聴きたくなった〜!
いつかは至福の瞬間が くるだろう か♪
ダァーっ!!!!!!!!!
令和7年2月14日