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リッシンベン調査団はゆく。

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広い広い「漢字」の世界を、じぶんなりに調査・探索してみたいの。
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記事一覧

【心】の【恥】じらいが【耳】に現れる。

前々回及び前回noteでは、表現と 恥ずかしさの関係性みたいなことを書きながら、 恥は捨てないで、しかし、同時に、 恥を晒すようにして、 このブログを書いてゆくほかない、 というふうにも思ったのですが。 この【恥】という漢字を見ていたら、 どうして【恥】の字は 【耳】と【心】でできているんだろう? ってゆうのが気になってきてしまったの。 なので、こういうときにはね、 いつものごとく、白川静先生の 『常用字解[第二版]』をひもといてまいりたい〜。 白川先生によれば、やはり、【

「【包】丁」と生物の「命」に関する形。

昨日のブログでは、グラフィックデザイナーの 原研哉さんのご著書では、デザインの始源として 「棍棒系の道具」と「器系の道具」のふたつがある、 ということをしるしながら、すると、ふと 「包丁」のことを思いついたので、 そう思ったことも書いてみたのですが。 「包丁」という道具の名称として、どうして、 「包む」の漢字が使われているか? ってえのはぼくはぞんじないんですが、 このことを考えていたら、この 【包】という字の形のことが気になってきて。 ともすれば、いつものごとく、 白川静

解体から解釈へと解きほぐすこと。

このごろのブログでは、たとえば、 「誤解」とか「理解」とか「曲解」とか「解釈」とか、 「難解」とか「氷解」とか「和解」とか、という 「解」の字がつく熟語に関することを、 ブログで書いていたんだけれども。 この「解」の漢字を分解してみると、 「角」と「刀」と「牛」という要素でできているなあ! というのは、これまで考えたことあるんですが、 あらためて、これってば、 なにかしらの意味があるのかなあ? って思ったので、ともすれば、やはり、 漢字と言えば今回も、白川静先生の 『常用字解

算木と呬と器物の二重の蓋の形。

前回noteでは、いろいろな数字の数え方について 考えてみたことを記してみたけれども。 このことをブログ記してからさらに思ったのはね、 数を数えることにおいて、漢数字では 「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十」 と記されますが、たとえば、 「一」「二」「三」はわかるとしても、そこから 「四」という形になるのは、なんで?! って、 いつの日か思ったこともございまして。 ならば、せっかくの機会だと考えながら、 【四】という漢字について、また、いつものごとし、 白川静先生の『常

高くけわしい地形を祈り衛る儀礼。

前回noteでは、このごろ パズルゲームの「マインスイーパ」をね、 あらためてプレイしているこのプレイのあいだ、 「マインスイーパ」とは、 冒険だと思う、というふうに 感じたことをブログでしるしながら、 さらに、そう言われてみれば、この 「冒険」ということばって、 どういうことなんだろう? ってえのを、 じぶんなりに考えてみたことを書いたですが。 そのブログの最後ではさ、この 「冒険」と似た語句として、 「探検」ということばもあるけれど、 「冒険」の「けん」は「けわしい」の

その【街】に【行】かなくてはならない。

前回noteでは、村上春樹さんの新作長編 『街とその不確かな壁』について、 その題名の英訳が “The City and Its Uncertain Walls” とされていて、ならば、どうして 「壁」は「Walls」という複数形になっていて、また、 「街」は「The Town」ではなくって 「The City」になっているんだろう? というようなことをしるしたのですが。 そうして考えてみるとね、また、 『街とその不確かな壁』という題名における 「街」とは、どうして 【町】

【疲】という漢字を眺めながら。

前回noteでは、「疲れる」という語句について 考えてみたことをしるしたですが、たとえば、 この「疲れる」の【疲】という漢字とは、 「やまいだれ」の中に「皮」が入っているけれども、 これってば、どういう意味があるんだろう? ってゆうのを、ふと思ったのよね。 じぶんなりに想像するからにはさ、たとえば、 「疲れる」とは、人間の 「皮膚」がダメージを受けるかのようにして、 つまり、「皮膚」というのは、 人間と世界との繋ぎ目であって、 その繋ぎ目が疲弊してしまえば、 人間は世界と繋

誕に厥の月を彌へ。

さくじつのブログでは、さくじつが じぶん自身の誕生日の日でしたので、 新しい歳へと向けた抱負みたいなことを しるしたけれども。そのブログでね、 「誕生日」のことを書いていたら、 「誕生日」の【誕】の漢字って、 「誕生日」もしくは、 「誕生」及び「生誕」以外では、 あんまり使われないよなあ、と思ったの。 【誕】の漢字が含まれる熟語には、 「誕生」以外に何がありますか? と、 ChatGPTで訊いてみれば、 「降誕(こうたん)」 「本誕(ほんたん)」 「坤誕(こんたん)」 「誕

「【毎】日」の日の中でもいちばん大きな日。

「おおみそか」を漢字で記せば 「大晦日」となるけれども、 なんだか、この 「大晦日」の漢字の感じがさ、 ぼくは、けっこうすきなのよねえ〜。 たとえば、 「大晦日」の真ん中の【晦】の字とは、 「日へん」に「毎」なのかな、いや、 「毎」とはすこしちがうけれども、 どちらかと言えば、てんてんの入っている 「母」の字の形っぽいけれど、でも、仮に、 それを、「毎日」の【毎】なのだとすれば、 「日へん」に【毎】がくっついて、さらに そのうしろに「日」がつく、そこへ 「大」がそえられるこ

功績をかぞえること、功績をしらべること。

歴史のことを考えるにあたっては、 漢字について調べてみる「リッシンベン調査団」の 団員のぼくとしましては、 【歴】という漢字のことが気になるんだなあ。 【歴】の形を見れば、もう 「歴史」という意味にしか見えないんだけれども、 でも、たとえば 【歴】とは、 「やまいだれ」でもなくて、また 「まだれ」でもないような、その 「まだれ」の短い縦線が無くなった「たれ」 (調べてみると「がんだれ」と言うみたい。)の中に、 「木」がふたつ並び、その下には 「止」が置かれる、という、 特徴

「時間的に【持】続する」こと、「夏の【時】を行ふ」こと。

前回noteでもそうだし、また、先日、 映画『四畳半タイムマシンブルース』を観たことも 影響されているとも思うのですが、 このごろ、あらためて 「時間」について考えているの。 とは言ってみても、 「時間」とは、何か?! ってえのもよくわかんないけれども。 「時間」を考えるにあたっては、 日頃、と言うよりかは、月1ペースで、 漢字のことを調べてみる 「リッシンベン調査団」の団員のぼくとしては、 やっぱり、気になるのは、 「時間」という熟語における 【時】の漢字のことだなあ。

【考】と「亡き父」について。

さて、では、 昨日も書きましたが、 本日のブログでは、漢字のことを調べてみる 「リッシンベン調査団」のシリーズを申したいですが。 今回調べてみたい漢字はね、このごろもまた、 「考える」のことをブログで書いていたので、その 【考】の字について見てゆきたいです。 【考】の漢字とは、 「土」に斜めの線が入り、 数字の「5」みたいな形が置かれている。 この「5」みたいな形がさ、 「子」になれば【孝】で、 「ヒ」になれば【老】になる。 そんなような【考】とは、 どんな漢字なんだろう?

「リッシンベン調査団」は忘れていた。

昨日9月14日にね、ふと思ったのは、 このブログで毎月13日に更新している、 漢字のことを調べてみる 「リッシンベン調査団」のシリーズをねえ、 今月は、そういえば、 うっかり忘れていたこと。 そもそも、どうして 「毎月13日」の日に更新をしていたか? というのはさ、べつに、とくに 深い理由とかは何もなくって。 当初、たしか、なんらかのきっかけでね、 「りっしんべん」の漢字に興味を持って、そして、 「りっしんべん」の漢字って、 どんなのがあるかなあ? と思いながら、 たとえば

絲を任く蟲なり。

先日、劇団「マームとジプシー」の 『cocoon』を観劇したときには、その タイトルの「cocoon」を意味する漢字のね、 【繭】って、あらためて、 その形がすごい! って思ったの。たとえば、 「くさかんむり」の下に、 部屋のように分かれた空間の中で 「糸」と「虫」が入っているなんて、 まさに「まゆ」っぽいもん。 なので、本日のブログではさ、 漢字のことを考えてみる 「リッシンベン調査団」シリーズとして、 【繭】の字を調べてみたい。 では、さっそく、いつものごとく、 白川