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BtoB用ペルソナ

BtoBとは「Business to Business」の略で、企業間で行われる取引のこと。「医療機器メーカーが病院に医療機器を販売する」というのもBtoBですね。一方、BtoCは「Business to Customer(Consumer)」の略で、企業とエンドユーザー(消費者) 間で行われる取引のこと。「ホテルが宿泊客に部屋を提供する」といったものはBtoCですね。

さて、BtoB企業に属しているみなさんにお聞きします。自分の会社(組織)に人間中心設計プロセスを導入しようとする際に、ペルソナを説明する機会があったと思います。いかがでしたか? 抵抗なく受け入れてもらえたでしょうか? 「エンドユーザーが気に入っても製品が売れるわけではない」「BtoCなら分かるけどなぁ」などといった、ペルソナって面白いツールだけど別世界のものだよねという反応が多かったのではないでしょうか。

これはまさにその通りで、公開されているペルソナの事例も、ほとんどがBtoCのケースだと思います。BtoBの場合は、「製品を利用する人」「製品を管理する人」「製品を購入する人」といった製品の購入決定に至るまでに様々なステークホルダーが登場します。そして、それぞれ「使いやすいこと」「管理しやすいこと」「ランニングコストが低いこと」といったようにニーズが異なります。ここがBtoBの特徴で、難しい点でもあり、逆にチャレンジし甲斐のある面でもあります。私がBtoBに取り組む場合は、まず購買決定フローを明らかにします。そして・・・ この後は論文にまとめていますので、興味がある方は読んでみてください。


水本徹,山崎和彦,山岡俊樹,中平増尚:施設ペルソナの提案−業務用製品開発のためのペルソナ構築事例−;日本感性工学会論文誌,Vol. 14, No. 1(特集号),pp. 17-27 (2015)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjske/14/1/14_17/_pdf/-char/ja


BtoB企業でもペルソナが、そして人間中心設計プロセスが導入され、心地よい製品であふれた世界になることを願っております。私も日々奮闘しております。

※HCDコラム 2023年4月4日号より転載

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