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舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」感想
※ハリーポッターシリーズの続編である舞台の感想なので、ハリーポッターシリーズを見てない方向けには書いていません。ご注意ください。
ハリー・ポッターシリーズを今更ながら読破したところ、あまりの面白さに大満足し、続編である呪いの子の脚本版を発見し、kindle Unlimitedで読破してさらに満足していました。しかし友人から「脚本を見ていても、舞台もぜひ見た方が良い」と言われ、いっちょ観てみるか~!のテンションで気軽に行ってきました。
こちらはハリポタシリーズの感想。
脚本版
Amazon Kindle Unlimitedで気軽に見れます。ハリポタシリーズは番外編のいくつか以外すべてUnlimitedで読めるのでこちらに登録して読むのが断然お得。
ロンドン、ウェストエンドで初演された『ハリー・ポッターと呪いの子』の公式脚本。ハリー・ポッターとして生きる宿命を負った少年は、おとなになったいまでも、魔法省で忙しく働きながら、夫として、そして学校へ通う三人の子どもの父親として、悩み多き日々を送っています。ハリーが、事あるごとに甦る過去の記憶に悩むいっぽう、末の息子のアルバスもまた、ポッター家に生まれた重圧に、反発しながら苦しんでいました。過去と現在が不吉に混ざりあうなか、父と息子は忌まわしい真実を知ることになります――時として、闇は思わぬところからしのび寄ってくるのです。
これがとても良くて!若干ヴォルデモートに対して解釈違いが出てしまいましたが、そこ以外は最高でした!
この作品は「タイム・ターナー」が重要アイテムとなっています。つまり、過去に戻ります。この時点で面白い。すでに脚本を読んで展開はわかっている中で舞台をどう楽しめるのか? ワクワクしながら会場に向かいました。
駅周辺から始まるハリポタワールド
まず駅から会場に至る街並みがすごい。こちらをご覧ください。
赤坂駅
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Harry Potter Cafe
行く直前まで知らなかったのですが、作品イメージのカフェがあるようです。ただしワーナースタジオツアーズのご飯の方が作品をイメージしたものがあったので、食べなくてもいいかな……と思って予約しませんでした。外観はそれっぽくて好き。
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マホウドコロ
イギリスのホグワーツのように、もし日本に魔法学校があったら?という質問に対し原作者が「マホウトコロ」という学校がある、と発言したとかなんとか。恐らくそれ由来のハリーポッターグッズショップです。開演前と開園後はものすごく混んで入店制限されているので、入りたい場合は入店予約必須です。
こちらも特に欲しいグッズがなかったので(それに混んでいたので)入らなかったのですが、雰囲気は可愛くて好きでした。
いろいろ
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劇場
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観たやつ
2024年2月4日(日)12:15の公演を観てきました。会場は舞台ハリーポッター専用に誂えられたTBS赤坂ACTシアター。
ロングランなため複数キャスト当たり前
ハリー、ロン、ドラコ、ジニー、マクゴナガルがトリプルキャストです。ハーマイオニー、アルバス(ハリー息子)、スコーピウス(ドラコ息子)、デルフィー(本作新キャラ)がダブルキャスト。
これだけ多くの複数キャスト陣なので、同じ舞台に行っても見たキャストが完全に被ることはなさそうなのが面白いところです。
別の日程で本舞台を観に行った友人と感想を話していたところ、一部キャラの解釈がかなり異なってたのでそれもまた面白い!となりました。
キャストと席にこだわらなければチケットは取りやすい
キャストと席にこだわらなければチケットは取りやすいです。私は「初めて見る時は一番安い席で」という若干のこだわりがありましたが、それでもなんなく取れました。一番安い席と一番高い席が埋まりがちで、中間の席は結構空いてる印象です。
劇場
席
今回一番後ろの席に座りましたが、かなり見やすかったです。さすがはハリーポッター専用で作られてるだけはある。
カフェ
併設のカフェがあります。食べ物も売ってました。しかし食べるスペースは無かった気がする。ちゃんと見てないので勘違いかも?
マナーが悪い人が多い
舞台を見たことがない層が本当に多く来てるんだと思うんですが、背もたれに背中をつけず、ふらふらと動き続ける人が多いこと!いやーすごかった!
私の席は視界を妨げられませんでしたが、別の席の人が本当に可哀想だった。視界の半分以上見えなかったんじゃないかな……。
いいですか、舞台を見る時は!背もたれに完全に背中をつけ!腰を浮かした座り方をしたり前のめりになったりしちゃいけないんですからね!これ映画館でやってもマナー違反だからな!!
あと静かなシーンでの飲み物が本当に気になる。水筒タイプのドリンクなのでそれを開閉する音とドリンクを取るためにカバンをゴソゴソと漁る音がなぁ~!
でもこれは完全に劇場側が悪い。劇場内で飲めるドリンクを売ってるならそりゃ買うし、買った客は開閉する大きさなんて買った後にしか気づけないし、ドリンクホルダーがないならカバンに入れるだろ。売るなそんなもんを。
(追記)観劇マナーについて
本感想が意外と閲覧されてるようなので、初めて観劇される方向けにマナーについて追記することにしました。基本的な注意事項を羅列していきます。
記載されている開演時間は本当に開演する時間。映画のように始まる前のCMは無い。余裕を持って入場しよう
携帯やスマートウォッチ等の電子機器に関しては基本電源オフ、もしくは機内モード。館内アナウンスに従おう
椅子の背もたれにはきちんと寄りかかる。見辛くても前のめりにならない
観劇中は動かない(身じろぎ程度ならOK。私は暗転中によくやります)
観劇中は喋らない
観劇中は飲食しない(ただし劇場による。基本は飲食NGだがハリーポッター劇場では劇場内で購入したドリンクはOK。ドリンクホルダーは無い)
遠い席の場合はオペラグラス(双眼鏡)で観劇する人もいる。持ってきても大丈夫
こんな感じです。基本的には「他人に迷惑かけないように観劇しようね」というルールです。みんなで楽しく見ましょうね!
上演時間
公式曰く3時間40分(休憩込み)。トイレもスムーズに行けるくらいの時間ですが拘束時間は長いのでご注意を。
舞台演出
ここが一番語りたいところです!舞台演出が本っっ当にすごかったんだ!
舞台での魔法演出がすごい
今回一番後ろの席でオペラグラス無しで観た私ですが、後ろで見て良かった~!ってなりました。なにせ魔法演出の仕組みが全く分からない!
たとえば「浮遊呪文(ウィンガーディアム・レビオーサー)」。これって物を浮かせる呪文ですよね。本舞台でも椅子などを浮かせます。これが遠くから見るとどうやって浮かせてるのか全くわからなかった!あまりの浮遊の滑らかさから、黒子が人力で浮かせてる気もするのですが、それにしてはブレがないんです。もしやワイヤー? いやいや、でもワイヤーにしては動きが滑らかすぎる……の堂々巡り。何もわかりませんでした。
また、本シリーズでお馴染みの「ポリジュース薬」。本舞台でも出てきます。これを飲んだ際に別人に成り代わるのですが、これがすごい! こっちは仕組みはわかるんです。後ろから成り代わる人がやってきてローブを二人羽織のようにカモフラージュに使い、成り代わる前の人が退場する。たぶんこうだと思うんですけど、あまりにもスムーズで時間もかからず綺麗に変わるので「た、たぶん仕組み的にはこうだと思うんだけど本当にそうなのか……?」と疑ってしまう出来。技術が素晴らしい。
あと舞台の中で実際に水中に潜るシーンがあります。これが上から見ると舞台中央の前面、扉が開くと本当に水があるんですよ!え!?なんで!?舞台中にびしょ濡れになるの!?どうやって乾かしてるの!?
この水中に潜った後の魔法道具の演出として円の中から水中をのぞき込めるような演出があります。恐らくワイヤーを使って水中の動きを模してると思うのですが、こちらもあまりにも滑らか。本当にどうやって動かしているのかさっぱりわからない。ワイヤーの技術がすごいのか?何にしても舞台技術がすごすぎる。
席による演出の見え方の差が面白い
私は一番後ろの席だったので上から俯瞰して見ていたわけです。そうなると舞台の床も見えますね。しかし通常の舞台では床が見えることを想定しない訳です。想定しないというか、そこを含めて演出してる舞台がほぼないというか。
本舞台では「駅」や「電車内」や「教室」や「部屋」など、多くの「空間」が存在します。これを床に映す光で演出しているのが細かくて素晴らしい!一目でわかる空間演出!
それに本舞台ではとあるシーンで舞台全体を使う演出があります。これがもう……格好良かった!後ろで見て良かった!
もちろん前の席でも楽しめる要素はたくさんあると思います。たぶん実際見ないとわからない良さなんだろうな。
ダンスが良い
今回の舞台が気に入った要素の1つ、ダンスです。キャラの登場や舞台転換等でダンスを入れてくれる! ストレート(通常の舞台)ってダンスで演出するのは見かけない気がしていて、どっちかと言うとミュージカル寄りな演出に思えました。私はミュージカル演出が大好きなのでこのダンスもとても好意的に受け取れました。
発音が変わってる
作者曰く、本来「ヴォルデモート」は「ヴォルデモー」という発音らしいです。そのせいか舞台でも「ヴォルデモー」と発音されている。
しかしこれが物凄く違和感がある。翻訳された脚本版でも「ヴォルデモート」だったのに、あまりの馴染みのなさに若干面白くなってしまいました。真剣なシーンなのに没入できなくて残念。
前半がなぜか早口
ここは良い印象を抱けなかった部分です。なぜか前半早口。後半は普通。なんで? 本来の脚本が長すぎて時間内にするには詰めに詰めたってことだろうか。それにしても早口すぎて本来の演技力が全く出せてなかったのが残念です。後半良いのに、もったいない。
内容
さて、それでは本格的にネタバレをしていきます。
前述した通り、本作はハリーポッターシリーズの続編です。ハリーの子供とドラコの子供の話。アルバスにうまく接することができないハリーの父親としての悩みと、ハリーの子供としての重圧を抱えきれないアルバスの話でもあります。
ハリーの子供、アルバスがハリーに対する反抗期から「父親の失敗を自分が修正してやる」と意気込み、タイムターナーを使って過去の出来事を変えてしまい、「今」が変わってしまうお話です。その「今」は最悪の未来を引き当ててしまいます。「ヴォルデモートが勝った世界」を。
今までの流れを汲んだミステリが面白い
ハリーポッターシリーズのミステリは「こいつが怪しいと思ったら全然違った」という流れなのですが、今回もそれを組み込んでいました。しかもそれを客側に仕掛けてるんじゃなくて、ハリポタ世界にやってるのが面白い!今回のテーマは「ヴォルデモートの子供は誰か」なのですが、それを世間にスコーピウスと勘違いさせ、全く別人が出てきたのは面白かったです。客側には結構早い段階で匂わせをしてくれるので親切です。
ハリーはどうしようもない父親
映画版だけ見ている方はハリーにがっかりすることを保証します。なにせ典型的なダメな父親なので! でも原作を見ていた私としては納得です。あのハリーならこう育つんだろうな。
なので映画版のみ見てる方がそのまま舞台を見ると「なんでハリーってこうなっちゃったの……?」と思ってしまうんじゃないでしょうか。その前に小説を読みましょう。そうすれば解決です。なにせ元からどうしようもないので。「このハリーならこうなる」と思えればオッケー!
スコーピウスが愉快な性格
脚本を読んだ段階では「物静かで大人しい少年」だったのですが舞台を見たら「陰キャオタク」になってしまいました。キャラ解釈こんな違うんだ~!?面白い!
役者の解釈によるキャラ解釈の変化は面白いですね。他の役者だとまた解釈が違くなりそう。
脚本が一部削られているのが残念
脚本版で見た好きなシーンが「ドラコが学生時代のハリーたちの仲の良さに対して言及してた」シーンなんです。本っっ当に残念なのですがそこが削られている。正確なセリフはちょっと忘れてしまいましたが、過去のハリーたちに対してドラコは確実に羨ましがってたんです。その心情の吐露を、削るのか!?なんで!?それなら他のセリフ削ってよ!
とあるキャラが最高
すでに脚本を読んでいたので出てくることは知っていましたが、スネイプが出てきた瞬間にテンションが上がりました。何度思い返してもスネイプ含むモブたちのダンス、最高だったな~~!!所作も最高~~!スコーピウスにリリーについて言われた瞬間に信用するのも最高~~~!!
嘆きのマートルが解釈一致
嘆きのマートルが解釈一致すぎました。映画吹き替えの再現がすごい。所作も綺麗。この方は恐らくアンブリッジも演じてると思うのですが、それも最高でした。演技うま~!
ヴォルデモート解釈違い
良いところは多かったですが、ヴォルデモートの子供の話だけは解釈違いでした。あのヴォルデモートが?あの父親を憎み殺したヴォルデモートが?あの少しの不穏因子すら許せないヴォルデモートが子供を作るか?と言うかナルシッサとそういう行為をするかぁ??
私はナルシッサが勝手に言ってる説を推します。
まとめ(ネタバレなし)
脚本見てストーリーの展開は知っていたけどそれでも舞台観て良かったな~って思えました!劇場周辺も楽しかったし。あとは観客ガチャさえどうにかなればね!あ、あと前半謎の早口をスルーしてもらえれば……。
ハリーポッターシリーズを楽しめた方はおすすめできます!ハリーポッターシリーズを知らない方にはおすすめできません!
観劇感想まとめ