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小説「CARNIVAL」感想

※この感想は18禁ゲームに関連した小説の感想です。ご注意ください。

 ゲーム本編をクリアし、小説があるのを発見したはいいものの、あまりの高騰っぷりに臍を嚙んでいたところ、幸運にもお借りすることができました!貸してくれた方に感謝!!
そして読んでみたら凄まじい話でした。ゲームクリアした人は読んだ方がいい。電子化しろ。

ゲーム本編の感想はこちら。

■ 小説媒体だと、とっても読みやすい

 作者である瀬戸口さんの文体ってゲームで見るとめちゃくちゃ癖があるんです。一文が長く、一気に文章の塊が表示されてしまう。他にも結構癖はありますが、やはり一番は文章の長さ。これがゲームでの読みづらさを助長していました。
が!小説だとその違和感は全く無い! やはり媒体が違うと文章の読みやすさも変わりますね!とても読みやすい文章だと感じました。瀬戸口さんの作品、全部小説として出版してくれないかな。



■ あらすじ

 小説の裏表紙に書いてあるあらすじを引用します。

「世界は残酷で恐ろしいのかもしれないけれど、とても美しい。思えば、そんなこと、僕らは最初から知っていたはずなんだ」
殺人の容疑をかけられ護送中のパトカーから逃亡したマナブ、そんな彼と一緒に失踪する道を選んだリサ。あれから、七年――。二人は行方不明となりその安否も確認できないまま、七年の月日が流れた。
ある日、リサの弟・洋一に一本の電話がかかってくる。姉・リサからの思いがけない電話だった。彼女たちの消息を追い、七年前の事件について調べ始める洋一。浮浪少女・サオリとともに、事件の真相に迫っていくが――。
リサ、マナブの行方は? 事件に翻弄されたイズミ、エイミたちのその後は? 洋一が新たに見つけた希望の光とは……。

ちなみに、あらすじはなんとなくミステリっぽいニュアンスがありますが、ミステリ要素は一切ありません。


■ ゲームの結末を示す物語

 本作はゲームの結末を示してくれます。はい、良くも悪くも「結末」なんです。なのでゲームをクリアした人はやった方がいい。この「結末」が作者である瀬戸口さんらしいものになっています。






~~~~~ネタバレするよ~~~~~







■ 感想

 学君、死んじゃった………。いやでもこうなるのもわかる。学君という人間の稼働年数はとっくに過ぎていて、無理やり動かしている状態だったんだと思う。それを理紗ちゃんの神様をやろうとして無理をして、さらに父親と再会して父親の神様(父親への罰と赦し)もやろうとして、そりゃ壊れるよな~~!と納得してしまった。壊れ方も、ちゃんと最後の言葉を残せて学君らしい終わりだと思いました。本当に凄まじい話だった。

 今まで私がプレイしてきた瀬戸口さんの作品は「世界は残酷で恐ろしくて、美しい」が根底の価値観で、本小説も同じでした。日常と残酷が同居していて、残酷なのが当然で、その中にほんの少し良いことがあることを美しくて素晴らしいと言っている。だから恐らく、小説のこのエンディングも、彼にとっては世界の美しさを見れたことによって素晴らしい人生だったってことになるんだと思います。一読者としてはなんとも言えないじっとりした気持ちになるけど、たぶん最上級のハッピーエンドのお話なんだろうな。

 でも、毎回瀬戸口さんの作品を読むと自分の深いところに傷を作られてる気持ちになる。頭を抱えたくなるし、唸りたくなるし、長い溜息をつきたくなる。いや~~すごい作品でした。貸してくれた方に感謝!




備忘録用メモ。Twitterでの実況スレッドです。


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