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ミュージカル「タイタニック」感想

 ミュージカル「タイタニック」2015年3月28日(土)17:00回を観に行ってきました。
随分前に観に行ったミュージカルなのですが、再演が決定されたとのことなので当時を思い出しながら書いていこうと思います。

 当時の私は、ミュージカルは好きだけど2.5次元ミュージカルや劇団四季や宝塚くらいしか知りませんでした。
 知人から紹介され、オリジナルのミュージカルで、加藤和樹(テニミュの跡部とか)や入野自由(声優さん)とか、私の知ってる有名な人が出てる!そんな訳でチケットをホイホイ購入し、挑みました。
ちなみに私自身タイタニックの知識は全くありません。ずいぶん前に映画版タイタニックが流行しましたが、それは全く観ておりません。「タイタニック 豪華客船 沈む」くらいのキーワードしか分からない状態だとご認識ください。

結論を先に言います。タイタニック、すごく面白かったです。

■ 会場と上演構成について

 場所は渋谷駅付近にあるBunkamura シアターコクーン。休憩を挟んだ二部制になっており、一部が17:00~18:25。休憩挟んで二部が18:40~19:50でした。
今回取れた席はバルコニー席(前に乗り出さないと見えない席&前傾姿勢になって見て良い席)で真正面ではなかったのが悔やまれます。安い席で色んな舞台を観に行くのが私の楽しみなのですが、これは真正面でちゃんと良い席で観たかった。本当に素晴らしいミュージカルでした。


■ 舞台美術について

 舞台美術はかなり簡素です。はしごに、そのはしごから繋がっている船の床部分を表しているような通路のみ。それ以外は場面によってテーブル等出てきますが、メインで使われている舞台美術はこれのみです。しかし全く不満はありません。これこそがこのミュージカルに合った最高の舞台美術でした。
なぜかと言うと、観客席も含めてホール全体を船と見立てているように思えました。客席含めて「タイタニック号のお客様」。役者の演技で、歌で、音楽で、小物ですべてを構成しており、会場全体が1つの「船」をイメージしているので、どんどん想像力が掻き立てられます。こういう演出、本当にすごいと思います。考えた人天才じゃない?


■ ストーリーについて

 このミュージカルは群像劇となっています。恐らく、大流行した映画版タイタニックとは完全に別物かと思います。上流階級・下流階級の人達、船員達、タイタニック号に関わる色々な立場の関係者。さまざまな視点でタイタニック号の設計から沈没までを描いていました。
いやこれが本当にすごい。「設計から描く」ってなんだよと思った方がいるかもしれません。これがですね、すごいんですよ。私がものすごく驚いたその時のシーンを語るので、一緒に驚いてください。


■ 「タイタニック号を設計から描く」演出

 こういった舞台というのは普通なら30分程前に開場するので、大体それくらいに入りますよね。私は入場してお手洗いに行ってから座席に向かったので、自分の座席を探し終えたのが20分前~15分前だったでしょうか。荷物や上着を脱いでほっと一息つきます。他の方も大体座席に座っていますが、開演前の楽しみなのかみんなワイワイガヤガヤとしています。あとは開演を待つだけなのですが、10分前くらいになってから舞台上に一人スタッフさんと思しき方が上がってきました。たしかこの時は既に舞台上にあった机に座って、なにか書き物をしてるようでした。
あれ?こんなギリギリに準備?大丈夫かなあと不安がありましたが、まあいいかとスルーします。
そして開演ギリギリになり、舞台上で準備してる人が紙を広げて満足気に頷き、机と一緒に舞台袖にはけていきます。この満足気に頷いてるところで、違和感を感じ、慌ててオペラグラスをセットしてこのスタッフさんを見てみたら、加藤和樹がいた。加藤和樹だった。

この、私の衝撃、分かります?????

 演出的には開演前のこの時間に設計士であるキャラ(加藤和樹)がタイタニック号の設計をしていたということなんですが、いやあのね、加藤和樹が出てたなら周りの人もっとザワザワしてよ!!!「あれ…もしかして…」「加藤和樹…?」みたいな反応してよ!!気づかねえよ!!私の席からは舞台上の人の顔なんて豆粒みたいなもんだからわからないよ!!っていうか約10分間も舞台上にいてずっと設計してたのかよすげーよびっくりだよ!!!開演前から始まる舞台も初めてだよ!!!!!もう!!!!もう!!!!!


■ 全員が主人公

 一応この設計士キャラが主役ポジションを与えられているようですが、主人公ではなかったように思えます。「タイタニック」という船に対するキーマンみたいな感じでした。あくまで群像劇でしたので、主人公は船に乗ってる全員(視点があたる全員)という印象が強かったです。色んな立場で船に乗って、色んな立場で船の上で過ごして、色んな立場で最後を迎える。この視点の当て方、ストーリー展開の仕方が本当に良かった!
良かったんですが、詳しくは忘れてしまったので(良かった…しか覚えてない)、みんなは再演を観に行ってくれよな!!


■ 歌について

 みんな歌うっっまーい!!!このミュージカル、そもそも海外でやっていたもので、その時のスタッフが日本に来てやってくれてるようなのです。主要スタッフはほぼ外国の方なのですが(脚本・演出とか)、その方々がオーディションをして受かった人が役者をつとめているわけです。そりゃあ歌うめーわ。
そして演技もうまい!良かった!!よくあるミュージカルであるあるの「歌だけうまい」パターンじゃない!!もしくは逆の「演技だけうまい」パターン!
再演版ではキャストが一部変更になるようですが、やはりオーディションをしていると思うのでたぶん大丈夫だと思います。演出家が変わってなければな!!変わらないでほしいな!!


■ まとめ

 このミュージカルを見て良かったです。本当に良かった。観劇後にスタッフさんに「映像化される予定はないんですか?」と聞くくらい良かったです。スタッフさんは申し訳なさそうに「皆さんに聞かれるんですが予定はないです…」と言われました。そりゃみんな聞くわ。いつでも観たいもんな。
なのでみんな再演見に行ってくださいね!!めちゃ面白いぞ!!あ、でも私がチケット取れるレベルで行ってくれよな!!チケット戦争に負けたらガチ泣きします。

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