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地域おこし協力隊に観てほしい映画!!《東京カウボーイ 主演:井浦新》

8月のとある月曜日。
スマホ片手に夕飯のカレーを煮込んでいると、『長野市で俳優・井浦新さんが舞台挨拶』という文字が飛び込んできた。

3日後の夜だ、仕事を終えて向かえば間に合いそう― そう思い、人生で初めて舞台挨拶付きの映画鑑賞券を買った。

長野市権堂にある「長野松竹相生座・ロキシー」。1919年開館、国内最古級の木造建築の映画館。

今作は、井浦さんのアメリカ映画デビュー作であり、日本では2024年6月から全国の劇場で公開がスタートしていた。

都会からやってきた頭の硬い男(井浦さん演じるヒデキ)が、アメリカの経営不振の牧場を立て直そうとするストーリー。
(このnoteでは、ネタバレを若干含みます)

INTRODUCTION
喧騒の東京から、大自然が広がるモンタナへ…効率至上主義のビジネスマンが見つけた人生の豊かさとはー

映画『東京カウボーイ』公式サイト

異国の地での、地域おこしのはじめ方

縁もゆかりもない地域に移住して、まちづくり(のようなこと)をしている自分にとっては、主人公の劇中での紆余曲折に自分が重なった。

特に、スーツ姿のヒデキが、作業着の現地民に(一方的な)プレゼンのシーンが印象に残っている。

我々移住者は、地域の中では新参者であり、伝統や文化などの背景をよく理解しないまま強く主張をするのは危険である。

その土地で大切にされてきたものを受けとめた上で自分にできることをしないと、空回りしてしまう。

それを知るまでには、時間も信頼も必要。
地域"かき乱し"隊
になってはいけないのだ。

ヨソモノ(移住者)目線はなぜ大切か

ついにスーツを脱ぎ捨て、カウボーイ姿で馬に跨り、牧場を手伝うようになったヒデキは、日本から来た婚約者にその土地の魅力を紹介するように。(このシーンも大好き)移住者が移住者を呼ぶパターンだ。

ヒデキによるヨソモノ目線により、地元の人が気づかない新たな魅力が掘り起こされ、最終的にこの映画では"それ"が事業になってゆく。

当初に日本から持ってきた牧場再建プランではなく、この地域で得た知見を活かしたプランだ。それに賛同してくれる者も集まった。
協力隊と全く同じことを、ヒデキはしている。

舞台挨拶

映画の上映は約2時間。
上演後には大きな拍手と共に、主演である井浦新さんが登場。

時間は相当押したが、挙手した一人一人の質問に、ていねいに答えてくださっていた。
その中で「皆の明日が明るくなるように」「生まれてきてくれてありがとう」と言ってくださった。言葉もそうであるが、声の深さにも驚いた。

挨拶の後、サイン会に並んだ。上映前に購入していたパンフレットにサインを書いていただく。ここでも一人一人にていねいに向き合ってくださっている、井浦さん。

自分の番になり、列の中で何度も反芻した映画の感想をお伝えすると、
井浦さんが「協力隊の方ですか?」と尋ねてくださった。

さらに「こういう場所(歴史ある映画館)は残していってほしい、映画館の人に名刺を渡した方がいいですよ」と笑ってくださった。

なんだかこの日は仕事終わりでよかった。
私が協力隊であることは『現実』なのだけど、映画と舞台挨拶を見ることで、『夢のような』要素が加わった、不思議な日だった。

協力隊に響きすぎるストーリー

異国の地で挫折を繰り返すヒデキに共感しながら、さいきん足りていない"気力"を補ってくれるようなコメディな部分に笑わせてもらい、元気が出た。

私たちは、もっとお互いにリスペクトを持って寄り添わなくてはいけない。
手と手を取り合い、これまでにない挑戦をしたり、新しい価値を生んだとき、それこそが地域おこしではないか。

地域おこしに興味がある、協力隊になろうかなと考えている人にもぜひ観てほしい映画だ。



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