【本の紹介】傲慢と善良
映画が9月27日公開予定の『傲慢と善良』
辻村深月さんの作品です。
何度読み返しても刺さる…!
あらすじ
みどころ
単行本で読み、面白くて文庫版がでた瞬間に購入して、何度も何度も読み返しています。
感想
どの世代でもきっと刺さるところがある!と思います。
特に結婚を考えている男女に読んでほしい作品です。
主人公の西澤架、坂庭真実。
この2人の結婚や婚活に対するスタンスの違いや、自意識の持ち方を、周囲の人間の言葉によって炙り出されていくような様子が…心に刺さりまくって痛いのに先が気になって読んでしまう!
そんな魅力に満ちた物語でした。
婚活を通して、自分の生き方とかあり方とか、価値観を見つめ直すのって大事だと思うのですが…それを正確にできてる人ってどれくらいいるんだろう?
相手は自分に相応しい人なのだろうか。
この人に決めて大丈夫なのだろうか。
そんな思いできっと婚活を進めている人が多いと思うのですが…相手にだって家族がいて、心があって、選ぶ権利がある。
婚活をしていると、そんな当たり前なことを忘れてしまいそうになるんだと、改めて突きつけられたような気がしました。
読み手の立場や、今置かれている環境によって、どの登場人物の言葉が刺さるのかは違ってくるかと思います。
そして、共感する箇所も人それぞれ違ってくるような気がします。
それも辻村深月さんの作品の魅力の1つではないかとわたしは思っています。
刺さった言葉
私自身、友達の紹介で会ったり婚活パーティーなどに参加したりしたあとに、周囲に言ってた気がします。
ピンとこなかった。という言葉。
あぁ、これって自己評価額だったんだ…と思うと、なんて傲慢だったんだろうと思わされました。
うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!
と叫びたくなりました。
現代人に多いのはこれだ!と。
自分に対する評価や自己肯定感はめちゃくちゃ低いのに、責められないように攻撃されないように全力で自分を守る。
私はこんな人間じゃない。
私はもっと評価される人間なんだ。
そう思うからこそ、ちょっと怒られたら辞める。とか、失敗が怖いから挑戦しない。とかが出てくるのかなぁと。
たぶん…私もそうなんですよねー。
刺さりまくって、刺さりまくって…。
最後に
婚約者の坂庭真実が、仕事を辞めた翌日に姿を消した…。
西澤架は、真実がストーカーに誘拐されたのではと思い、彼女の故郷や友人に話を聞きに行く。
恋愛、婚活、結婚をテーマにしたミステリー小説であり、現代人の心をあぶり出した婚活小説でもあると感じました。
本書で述べられている『高慢と偏見』も合わせて読むと面白いかもしれません。