文【ある光の独白】

自分の後ろにある長い影が、ときおり羨ましく見える。
私もそこに沈んでしまいたいと。

だが私の足の下にさえ影があるにも関わらず、私はそこに入れない。
何も邪魔するものはいないはずなのに。

もう沈んでしまおう。
そう思うたびに、前に見えるものが愛おしく思えて、沈めないのだ。

時には私の姿すら見えないほどに。
時には肌が焼け焦げるほどに。
さんさんと。じりじりと。

その痛みに耐え切れず。
消えてくれと叫んだこともある。
もう嫌だと泣き叫んだこともある。

でも、それでも。
私は後ろにある長い影に、沈めはしないのだ。

狂おしいほどに、愛に似たものが自分の中から生まれ続けて、沈めないのだ。

あぁ。私は後ろにある長い影が羨ましく、そこに沈みたいと思うのに。

気付けばいつも、輝くことだけを考えている。



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