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毎朝ドリップ#036 2024.10.23 決意のレモンサワー(もうダメだぽ~)


コーヒーの話

この間、「久しぶりにテンション高すぎてヤバい」という話をしたのだけど、案の定、揺り戻し的にうつ状態が来まして、昨日はいちにち床に転がっていることしかできなかった。

まあなんか、「やっぱりな~」と思えるようになっただけマシだし、うつ状態と言ったって、身体が怠くて頭がボーっとして、「マジでな~んもできませんえん」と思うだけなので、大したことはないのだが。
来る、と分かっていれば前日から対策も取れるしね。

そんなわけで昨日はコーヒーどころではなく、今日は1日ぶりのカフェインでした。

いつものエチオピアを、いつもの46メソッドで淹れる。
朝から弱い雨で湿度が高くて、気温のわりにムシムシと鬱陶しい空気なので、旦那さんにはアイスコーヒーを出した。
試験が終わって日常が戻ってきたため、通常業務で忙しいらしい。がんばれ。

決意のレモンサワー(もうダメだぽ~)

さて、昨日に引き続き、今朝も身体が怠くてスッキリしない。
眠りが浅くて、変な夢をずーっと見ていたせいで頭がボーっとする。

こういう日はいつもそうするのだけど、「とりあえず」身体を起こし、ベッドを這い出し、リビングまで移動して、ソファになだれ込む。
ソファで何をするでもなくボーっとしていると、だんだんと頭の中がクリアになってくるので、とりあえず顔を洗ったり、とりあえずコーヒーを淹れたり、とりあえず着替えたりする。

自分に悩む暇を与えないのがコツで、頭に浮かんだ「顔洗おうかなあ」「コーヒー淹れようかなあ」を、順番に、無心で、「とりあえず」こなしていく。
作業が決まっているので、何も考えなくてもコトが進んでいくのがいい。

しかし服を着替えるときになって、はたと手が止まる。
「何着よう…」

こうなると非常にまずい。だめだめ、自分に悩む暇を与えてはいけない。考えなくていいところからやっていこう。
とりあえず来ていた寝間着を脱いで、下着を身に着け、いつも履いているジーンズを履いたところまでは良かった。
問題はトップスである。

悩まない、というのは、実は非常に難しい。
こと洋服になると、考えることがいっぱいある。
今日の気温は?誰かに会う?どこかに行く?身体の具合は?明日以降に取っておかないといけない服は?エトセトラ、エトセトラ。

「うぐぐぅ…」と声が出る。
しかしダメなら後で着替えればいいのだ。とりあえず着替えることが大事。少し肌寒そうだから、まあ長袖でしょ、でも分厚いものだと暑すぎるだろうから、薄手のカットソーがいいかな。

そう自分に言い聞かせながら、クローゼットを漁る。

ゴソゴソとやっていると、胸元に大きく「レモンサワー」とプリントされた、長袖のカットソーが目に留まる。
これは、いわゆる「卓上レモンサワー」を設置している焼き肉店の、ノベルティ的なシャツで、お酒好きの友人数名と、「おそろ」で購入したもの。
そのメンツでお酒を飲みに行くときに、みんなで着てくる遊びをやったりしている。

これだ。今日はこれを着よう。これを着て、幾分かしゃんとした生活をしよう。幾分かしゃんとして、幾分かまともな、そういう日にしよう。

ココシャネルはかつて、“Dress like you are going to meet your worst enemy today.”​​と言ったという。今日、自分の一番の敵と相対すると思って、服を着なさい。

映画「キングスマン」のなかで、ハリーは “A suit is the modern gentleman’s armour”と言っていた。スーツは現代紳士の鎧である。

洋服は鎧で、服を着ることは戦闘準備。

なんてことはない、1着のふざけたカットソー。だけど今日はこれが、私の鎧になってくれるような気がした。
「しゃんとしたい」と奮い立つ私と、「もうダメだぽ~」と打ちひしがれる私を守る、鎧になる。

だからこれは、決意のレモンサワー。
やったるぞい、という気持ちで、袖を通す。

な~んて、こんなことを毎日真剣に考えているから、だんだん鬱屈としてくるんですよ。
「今日はレモンサワー着ちゃお~、へへへ~」って言って、ふざけた気持ちで選べばいいのにね。

まあでも、こうやって、わずかでも依り代ができることは、私にとってはすごく大切だ。
レモンサワーを着ていると、鏡を見るたび、いつも楽しくお酒を飲んでくれる、優しくて愛おしい面々のことも、思い出すしね。
各位、もしこれを読んでいたら、久しぶりにレモンサワーでも飲みに行きましょうよ。

かしこ。

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