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七十二侯屏風制作物語 五 「瓢箪から駒」
母校の学科卒業生有志による作品展「すみの会」に出展するための作品制作中です。七十二候の書と龍村の帯を表装して屏風仕立てにする作品です。
使用する帯については以前にnoteしました。「龍村の帯に出会ってしまったお話」
その帯は濃紺地に金と銀で瓢箪の文様が織りだされています。帯の折り返しに織られた「吉祥瓢」というワードで検索してみると、文様は「名物吉祥瓢金襴錦」であることがわかりました。
憧れの龍村の帯に縁あってリユース着物店で出会ってしまったわけですが、2回目に締めたら帯の端の数カ所に裂け目が入ってしまったため帯としてはもう締めることができません。帯を裂として活かすべくアップサイクルしようとアイデアをずっと考えていたのですが、ようやくその出番がやってきました!脆弱な裂を和紙で裏打ちして強度を増し、表装して屏風に仕立てます。
屏風を二曲一双にするため、帯を分割して4枚の画仙紙の上下に8か所、左右に8か所の16ピースにします。上下8か所には金と銀の瓢箪文様部分をレイアウト、左右8か所には濃紺の無地部分をレイアウトして継ぐことにしました。
龍村の帯を少しも無駄にしたくなかったため、特に左右の幅寸法はギリギリまで追い込みました。図面にして帯が足りることを何度も確認しました。計算上では成り立つのですが、果たして本当に16ピースは成り立つのか~?何ヶ所か裂けた部分は触る度に更に裂けます。瓢箪の織の部分は金と銀の糸が粗いため、途中で切ると解れてきそうです。
ま、そこは、腕の確かな職人さんに表装をお任せするのみです。がんばれ〜!職人さん。
どうぞ瓢箪から駒!となりますように。作品完成まで物語は続きます~。