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季節が進んだせいで読谷山ミンサーの半幅帯を二本買う
半幅帯の仕立て講座に参加して以来、半幅帯の魅力に気づきました。その魅力は名古屋帯や袋帯の決まりごとの多いお太鼓結びとは異なり、正解の無い自由な結び方の楽しさにあると私は思います。着付時間を短縮する、着付アイテムを減らして涼しくするだけでなく、お太鼓結びのルールが息苦しくなったりルールに疑問が生じる日、自由な気分を満喫したい日には半幅帯を選びます。
今年の夏に訪れた沖縄の読谷山(ゆんたんざ)花織事業協同組合でミンサーの美しい半幅帯に出会いました。伝統的工芸品に指定されている紋様と様々な色糸が織りなす読谷山ミンサー。組合では展示と共に販売もしているため、いくつかの中から買う気満々で一本を選びました。ようやく決めたその一本は残念ながら非売品でしたので、次回のお楽しみ用に同じものをリクエストしておきました。
季節が進み秋になった頃にその一本が織り上がったと聞き再び沖縄の読谷村へ。
その日は秋の読谷まつりの日で、夏には無かった紋様と色彩の半幅帯の展示が豊富にあり、美しいミンサーの前で私は再び迷い始めました。夏のあの日に迷って決めたはずの一本と秋の気分で見ている私の目に飛び込んできた一本のどちらを購入するか決めきれなくなりました。迷いに迷っていたところ、横から「じゃあ一本は俺がプレゼントするよ」と神のような声が聞こえてくるではないですか〜。即決で両方買いました!ありがとう、神のような声の人!!
夏の日に決めた一本と秋の気分で決めたもう一本、だって季節が進んでしまったんですもの。どちらも渋い大島に合わせて半幅帯ならではの自由な気分を楽しみます。
女心と秋の帯には注意が必要な着物がたりです。