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短編小説

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2020年5月の記事一覧

失恋の誉れ

 かつて好きだった男の死体が川から上がった。

「……白髪、増えましたね、紫先生」

 清潔なベッドに横たわる遺体を眺めながら、私は力なく呟いた。
 すでに様々な処置のなされたあとの遺体はとても綺麗だった。
 死んでいるなんて嘘みたいだった。

 さすがに記憶に残る紫先生の顔と比べると老いを感じさせた。
 しかし死んで当然という年齢にも見えない。
 この人はそういえばいくつになるのだろう。
 私は

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