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狭倉朏(はざくら・みかづき)
2020年5月6日 00:00
かつて好きだった男の死体が川から上がった。「……白髪、増えましたね、紫先生」 清潔なベッドに横たわる遺体を眺めながら、私は力なく呟いた。 すでに様々な処置のなされたあとの遺体はとても綺麗だった。 死んでいるなんて嘘みたいだった。 さすがに記憶に残る紫先生の顔と比べると老いを感じさせた。 しかし死んで当然という年齢にも見えない。 この人はそういえばいくつになるのだろう。 私は