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音楽・故人の好きを継ぐ

世代で引き継がれているもの

世代から世代へ手渡されているもの、その一つに好きな音楽の傾向がある気がする。

家族のつながり・自分のルーツをたどる時、
親子で顔が似ている、髪の癖っ毛が似ている、特定の方言を話す、よくしゃべる、ごはんを食べるのが早いなど、身体の特徴からふるまいまで色々ある。

スペイン出身の知人は苗字が変わってもその名前だけは引き継がれるように、と母、祖母、そのまた昔のご先祖さんの名前を引き継いでいるんだそう。

仕草や名前など、たとえ遠くに離れていても、ご先祖さんが亡くなっても、新しい世代がその一部を受け継いで生きている。気付いていなくても。

その一つに音楽もあるのではないかと思い、みんなに愛されながらこの世とその身体を去った祖母と音楽について書いてみる。

祖母とジャズ

確かわたしが20代中盤くらいのころ、それまでそんなに意識していなかったけれど、映画やドラマでふいに流れる1940~1960年代くらいの、特にジャズ系の音楽がとても好きなことに気付く。

1940年台に活躍していたグレン・ミラー


1950年台後半に活動開始してメンバーを変えながらいまだにほとんどインストのロック系ザ・ベンチャーズ。日本に公演に来た時に連れていってもらったこともある。この人たちと英語で話せたらなあと思っていたことがあったなあ。


さて昨年。ちょうどいまごろ。祖母が危篤状態の時に、私が覚えている範囲内で祖母がよく流していた曲のプレイリストを作って親戚で共有した。

なんでわたしが覚えているかというと、わたしが小さい頃、よく祖母が掃除しながら聴いていたからだ。

祖母の青春時代、ダンスホールでよく流れていたのか、ラジオで聴いていたのか、楽しかった、世界がキラキラして見えたんだろうなあ。

20代くらいによく聴いている音楽は、歳をとっても大好きな大事な忘れられない音楽だと聞いたことがある。祖母もそうだったのかなあ。


わたしの「好き」に繋がっているもの

祖母の愛が大きく、祖母はわたしのなかで大きな安心を表す存在だったからこそ、こうしたジャズの聴き慣れた曲は、大人になって、日本を離れた今でも祖母を思い出し、あったかくなり、安心するメロディーなのだ。

そしてその音楽は祖母の身体がこの世からいなくなっても変わらずあって、祖母の好きなものは、わたしの好きに繋がっている。

ばあちゃん、繋がっとるよ〜


音楽、踊り、言葉、振る舞い・・・他にもたくさん、知らぬ間に、世代から世代に手渡されているものがあるのだろう。

いろんな人の手渡されていったものがどんなものなのか聞いてみたい。

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