〖昔書いたお話〗王子様とお空の幼稚園
こちらも小学生の頃に書いたものです。
細かいものも含めて、王国を舞台したものが多かった気がします。
王子様とお空の幼稚園
ある王国に、ひとり息子の王子様がいました。
お城の壁や階段にはやわらかいクッションがはられ、床もふわふわになっています。
王子様がけっしてケガをしないためでした。
王国には幼稚園があり、王子様も時々そこに行っていました。
少し絵を描いたり、お話したり、王国で用意したご飯を食べて過ごし、運動の時間や外遊びの時は見ているだけです。時々笑ったり拍手をすれば良いのです。
王子様がけっしてケガをしないためです。
ある時、他の幼稚園で運動会があるから、王子様に見にきてもらいたいと招待状が届きました。
王子様は家来のおじいさんと一緒に運動会に行きました。
そこは『さかさま幼稚園』という空にさかさまに浮かぶ幼稚園でした。
雲に乗って飛んでいき、『さかさまの国』に着くと、体がさかさまになって頭が下を向き、ふわふわと浮いているのに何ともなくなります。
「ぼくは、何もしないで見ていれば良いの?」
パン食い競争をする皆を見ながら、王子様は家来のおじいさんに聞きました。
「王子、大丈夫です。ここはさかさまですから、たとえ転んでもケガをしません。
王子様はたいそう喜んで、パン食い競争とかけっこに参加しました。
(終)
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