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M-1グランプリと360度評価。
『M-1グランプリ2024』終わりましたね。
審査システムがどんどん良くなっている印象ですね。第一回目は札幌・大阪・福岡の3拠点にいる一般客を審査させる謎システムで「知っている芸人かどうか」みたいな点で評価されて知名度が低い芸人を叩き潰されるシステムでした。その後の大会も、見ているマス層より上の世代、いわゆる大御所の芸人さんも審査されて説教臭くなって、観客ではなく年配審査員のために笑いをどう取るかみたいな大会もありました。そういう試行錯誤もあり、今回は歴代チャンピオンかつ年代も近い方々が愛ある評価をされていて良かったと思いました。
しかし、2人で4分間ただ喋ってるだけで笑いを起こして、その内容を見て、ネタ構成がどうだこうだとか評価されるという不思議な時間を何万人もの人が見守るというのが結構シュールな文化ですよね。
ちょっと変な角度で見てたんですが、やっぱり審査員も割の好みやその芸人さんたちをどれくらい知ってるかによって評価点数が変わると思うんですよね。で、これって会社員の評価でも同じだなとは思っていて、部下の評価を1人の上司が評価することが多いと思うんですが、定量的+定性的な評価がそれぞれあっても結局は「好き・嫌い」で評価が出てくる。上司からの雑務を文句言わずにやってくれるが成績があまり良くない人、逆に雑務をほぼやらないが成績が良い人。イエスマンの人を配下に置きたいマネージャーだと前者を選びがち。
自分としては工数が多くなるけど色んなレイヤーの人が複数名評価してもらう仕組み「360度評価」のほうが正当な評価をされるなーというのが今回のM-1を見て感じたことです。令和ロマンが過去大会に優勝しているので、審査員の中でも「他のコンビに光を当てたほうがええでしょう」や「そういった過去の事を取り払って今大会で誰がおもしろいコンビかどうかを評価しよう」など色々な考え方があるかと思います。
今まで僕が経験してきた中でいけば、「結婚するかどうか」「子供が生まれるかどうか」みたいな生活環境を視野に入れた評価軸も存在しました。仕事の出来ではなく、そういった私生活の部分も考慮された評価が過去の会社で昇格はあったのですが、それをしちゃうとほぼ同じ評価されたスタッフからすると「純粋に仕事の出来ではなくて、情で決まるんかい」と納得いかないと思いますし、そういった声も聞いてきました。
評価軸は複数あるべきとは思うので、やはり公平性を保つためにも複数レイヤーで様々な軸を持つ人達が評価するのが改めて良いなと感じたというお話でした。M-1を無理やり絡めた感じがしますが、僕は真空ジェシカをすごく推しています。ボケの川北さんの狂気的なボケも好きなんですが、ツッコミのガクさんのボケを邪魔しないけど笑いを増幅させる的確なワードセンスあるツッコミが大好きです。あと、吉本ではなく人力舎に所属しててあの最終選考まで残ってるのも良いっすね。昔の野性爆弾のような何をするかどうかわからない危うさがある芸人、もっと出てきてほしいです。